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狂する
「狂する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
wift の畢《つい》に発狂したのも当然の結果と云う外はない。
スウィフトは発
狂する少し前に、梢《こずえ》だけ枯れた木を見ながら、「おれはあの木とよく似ている....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ゆ》へ。――
「職工か何かにキスされたからですって。」
「そんなことくらいでも発
狂するものかな。」
「そりゃするわ。すると思ったわ。あたしもゆうべは怖《こわ》い....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
人たる責任のいかに重大なるかは問うを待たず。この一家の主人にして妄《みだり》に発
狂する権利ありや否や? 吾人はかかる疑問の前に断乎《だんこ》として否と答うるもの....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
怪さにふれることばかりが取り残されてあるのだと彼は思った。奇怪な実在をつかんで発
狂することのないように、彼はあらかじめあらゆる想像をたくましうして今ふれんとする....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
みた宇宙女囚の肢体といい容貌といいあまりながく見ていると脳髄がきゅーっと縮まり発
狂するのではないかといったような恐怖にさえ襲われるのであった。 そのとき僕は、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
主人多左衛門もやはり其の一人で、今では普通の趣味や道楽を通り越して、絵馬蒐集に熱
狂する人間となってしまった。彼は山の手の同好者をあつめて「絵馬の会」というのを組....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
観とちがって、宇宙の風景はあまりに悽愴で、見つけない者が見ると、一目見ただけで発
狂する虞れがあるのですわ。ですから、ここでよくお考えになって、さっきの申出を撤回....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
を石油箱の上に腰うちかけて、いつまでもジッと考えこんでいた。もうここで敗北して発
狂するか、それとも思いがけないアイデアを得て辛くも常人地帯に踏みとどまるか。 「....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
ても恐ろしくなった。鏡の前に立っている自分が、この儘じっとしているなら、乃公は発
狂するかもしれない。鏡の中の自分が動いて、その前に立っている筈の自分が動かないと....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
は、淵の測り知るべからざる水底の深き瞳を、鋭く紳士の面に流して 「私は確です。発
狂するなら貴方がなさい、御令妹のお稲さんのために。」 と、爽かに言った。 「私....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
らないものだった。たとい向うにいる女の名にしても、――僕は又椅子から立ち上り、発
狂することを恐れながら、僕の部屋へ帰ることにした。 僕は僕の部屋へ帰ると、すぐ....
「一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
も云い、その種族の者に見詰められると、見詰められた者は病気になるか、財を失うか発
狂するか、ろくなことにはならないというので、誰でもが交際わない種族なのであった。....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
分の一だけを、それすらも漸く持ち帰った。それはもう夜明近かった。 これを見て、
狂するばかりに喜んだ洞斎老人、余りの嬉しさに胸が躍って急にガックリ打倒れた。それ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
きよく遊ぶ」とはこのことであろう。 また、平日はカルタ遊びやいろいろの勝負事に
狂するがごとく熱中しておるが、今回は一度も金をかけて勝負を争いたるを見ざりしは意....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
、犯罪の発覚を恐れているんじゃないのかなあ。気の弱い男は自分の犯した罪に脅えて発
狂するって話もあるから――』 『まさか、そんな大それたことをする方じゃありません....