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狂人
「狂人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
し上げるまでもございますまい。が、ただ一つ御耳に入れて置きたいのは、当日限り私は
狂人と云う名前を負わされて、憐むべき余生《よせい》を送らなければならなくなった事....
「河童」より 著者:芥川竜之介
話である。彼はもう三十を越しているであろう。が、一見したところはいかにも若々しい
狂人である。彼の半生の経験は、――いや、そんなことはどうでもよい。彼はただじっと....
「路上」より 著者:芥川竜之介
だよ。」
「いや、一しょにすべきものだ。成程天才は有為《エフィシエント》だろう。
狂人は有為《エフィシエント》じゃないに違いない。が、その差別は人間が彼等の所行《....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、世界の名選手さへ大抵は得意の微笑のかげに渋面を隠しているではないか?
人生は
狂人の主催に成ったオリムピック大会に似たものである。我我は人生と闘いながら、人生....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
、致したのでございます。
そう云う必要に迫られて、これを書いた私が、どうして、
狂人扱いをされて、黙って居られましょう。私はもう一度、ここに改めてお願い致します....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
。ここは旅行案内の広告によれば、神経衰弱に善《よ》いとか云うことです。そのせいか
狂人も二人《ふたり》ばかりいます。一人《ひとり》は二十七八の女です。この女は何も....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
一
僕の母は
狂人だった。僕は一度も僕の母に母らしい親しみを感じたことはない。僕の母は髪を櫛巻....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
ん》。「さん・せばすちあん」は船長にすがったまま、じっと空中を見つめている。何か
狂人に近い表情。船長はやはり冷笑したまま、睫毛《まつげ》一つ動かさない。のみなら....
「或る女」より 著者:有島武郎
い。葉子は二人に背《うし》ろを向けますます壁のほうにもがきよりながら、涙の暇から
狂人のように叫んだ。たちまち高くたちまち低いその震え声は笑っているようにさえ聞こ....
「或る女」より 著者:有島武郎
しゃく》にさわった。自分に対してすべての人が普通の人間として交わろうとはしない。
狂人にでも接するような仕打ちを見せる。だれも彼もそうだ。医者までがそうだ。
「も....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
に立って雄々しくも第二の世界に盾をついたフランシス――が百姓の服を着て、子供らに
狂人と罵られながらも、聖ダミヤノ寺院の再建勧進にアッシジの街に現われ出した。クラ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
声で、 見ろい、あの切目の長げえ眼をぎろっとむいて、其奴が血走って、からっきし
狂人見てえだった。筋が吊ったか舌も廻ら無え、「何んだってカチヤを出した」と固唾を....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
つあれど、今から数十年の昔に於ける迫害――殊に既成宗教団からの迫害ときては、正に
狂人の沙汰であった。モーゼスを使役して通信しつつある霊達が歎息するのも、尤もな次....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ラに近い裸体の女が一人こちらを向いて横になっていた。それは又僕の復讐の神、――或
狂人の娘に違いなかった。…… 僕は目を醒ますが早いか、思わずベッドを飛び下りて....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
の書きものを見せたら、世の中には、自分はそれと気付かないでいて、しかもこの残虐な
狂人と同じように、巧に恐ろしいことをやる
狂人が沢山あると言った。....