狂女[語句情報] » 狂女

「狂女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

狂女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
てありそうな気がした。 二階の部屋をまわった平塚君の話では、五年の甲組の教室に狂女がいて、じっとバケツの水を見つめていたそうだ。あの雨じみのある鼠色の壁により....
「或る女」より 著者:有島武郎
るものならみごとに踊ってごらんなさいまし。……踊れるものなら、はゝゝ」 葉子は狂女のように高々《たかだか》と笑った。岡は葉子の物狂おしく笑うのを見ると、それを....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まげ》はなんだか見とどけませんでしたが、髪は綺麗に結っていたようです」 もしや狂女ではないかと想像しながら、半七はいろいろ訊いてみたが、清太郎はふた目とも見な....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んだ芝居をする奴だと、かれは半七に笑われた。 自身番へ引っ立てられた時、かれは狂女を粧ってその場を逃がれる積りであるらしかったが、あとから彼の男と庄太とが大き....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
でゆくらしく思われた。取り分けてお玉さんは可哀そうでならなかった。母は鬼婆、娘は狂女、よくよく呪われている母子だと思った。 お玉さんは一人も友達をもっていなか....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
どうぞ。」 やがて博士は、特等室にただ一人、膝も胸も、しどけない、けろんとした狂女に、何と……手に剃刀を持たせながら、臥床に跪いて、その胸に額を埋めて、ひしと....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
りの事、門、背戸へ姿を見せず、座敷牢とまでもないが、奥まった処に籠切りの、長年の狂女であった。――で、赤鼻は、章魚とも河童ともつかぬ御難なのだから、待遇も態度も....
「病房にたわむ花」より 著者:岡本かの子
れて這入ろうとした時に、廊下の突き当りの中庭を隔てた一棟の病房から、けたたましい狂女のあばれ狂う物音が聞こえ始めました。茲にもたわわに咲きたわんだ桜の枝の重なる....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すらに恐れているらしかった。そうして「わたし、もういっそ死んでしまいたい」などと狂女のように泣き悲しんでいた。 「馬鹿云っちゃあいけねえ。おめえは大事の証人じゃ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
も早くその謎を解くために博士の宅を訪問して、私の安心が出来るように、くわしくかの狂女の話をしてくれと頼んだ。以下は、秘密を守るという約束で、博士がわたしに話して....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
か病身らしい痩形の男で、深田君に丁寧に挨拶して好子を連れて行こうとすると、好子は狂女のように飛びかかって男の腕を強くつかんだ。 「薄情、不人情、嘘つき……。人を....
「狂女」より 著者:秋田滋
押寄せて来た頃は、僕はあそこに住んでいたのだ。 その頃、僕のうちの隣りに、まあ狂女と云うのだろう、妙な女がひとり住んでいた。たび重なる不幸で頭が変になってしま....
「春」より 著者:岡本かの子
のしなをしても、それが少しも不自然ではない。 昨夜、早く寝た京子の顔は、青白い狂女の顔ながら、健康らしく薄く脂が浮いている。だが、この三四日、目星ばかり気にし....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
謡曲の「花がたみ」から取材したもので、大正四年、文展に出品したものでございます。狂女を描くのですから、本当の狂人をよく観たいものと思い、岩倉精神病院へ、二、三度....
「活人形」より 著者:泉鏡花
人々ものを言いかくれど、答は無くて、ただにこにこと笑うを見て、始め泰助は近隣の狂女ならんと見て取りつ、問えばさるものは無しという。今もなお懐中せる今朝の写真に....