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狂恋
「狂恋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂恋の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
のお人の宿元まで、忍んでゆきたいと思うのだけれど――」
と、いっているうちに、
狂恋の情が抑《おさ》えられなくなったように、
「甚太郎、明日といわず、今夜これか....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
かいのを持ってくるから、同宿の猫舌先生がわが身の宿命を嘆いたものである。この娘の
狂恋ぶりには下宿の老夫婦も手の施す術がなく困りきっていた様子であったが、私はそれ....
「阿部定という女」より 著者:坂口安吾
さそのものゝ姿で、まことに同情すべきものゝ如くに思われます。 八百屋お七を娘の
狂恋とすれば、お定さんは女の恋であり、この二つはむしろ多く可憐なる要素を含むもの....
「死と影」より 著者:坂口安吾
下さい、殺されそうです、と悲鳴をあげていた由で、そのことがあってから、ヤマサンも
狂恋をつゝしみ、大いに慎んで私に接するようになった。 その後のヤマサンは決して....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
お忘れだね」 「…………」答えもしないで臙脂をさしている、鏡の中のお米の目、やや
狂恋の相がある。 「服まなくってはいけませんよ。え、お米や」 「今日は服みたくな....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
を眼のあたりに見て、かれの臆病な悪魔的な考えは萎え惧れた。 けれど、秘密を知る
狂恋の女。あざむかねば殺すのほかはなく、殺さねば、あざむくのほかはない。大事の万....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
つき露の 深草の里 などと、彼は自分を歌って、自分を哀しがった。 女の父は、
狂恋の彼に、おぞ毛をふるッて、ついに娘を、自領の伊賀の田舎へ移してしまった。――....