狂瀾[語句情報] » 狂瀾

「狂瀾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

狂瀾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の童女になった。 その後葉子の父は死んだ。母も死んだ。木部は葉子と別れてから、狂瀾《きょうらん》のような生活に身を任せた。衆議院議員の候補に立ってもみたり、純....
犯人」より 著者:太宰治
憩《いこ》いを知らぬ帆は、 嵐の中にこそ平穏のあるが如くに、 せつに狂瀾怒濤《きょうらんどとう》をのみ求むる也《なり》。 あわれ、あらしに憩いあり....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
笑いがやみそうになったら、五つになる女の子が「御かあ様、猫も随分ね」といったので狂瀾《きょうらん》を既倒《きとう》に何とかするという勢でまた大変笑われた。人間の....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
一座の人々は、甚之助を取り巻いた。 甚之助は、声をひそめ、 「藩論が決った今、狂瀾を既倒にかえすは、非常手段に出るほかは、ござらぬ。明日の出兵を差し止める道は....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
し――せっかちな激しさを加えた。五分もたつと、ヴァルーまでの海は一面に抑えきれぬ狂瀾怒濤をまき上げた。が、怒濤のいちばんひどく猛り狂っているのはモスケーと海岸と....
火星探険」より 著者:海野十三
士であった。博士の最後的努力が遂に効を奏したのだった。 嵐が急にやんだように、狂瀾怒濤《きょうらんどとう》が一時に鳴りを鎮めたように、乗組員たちの気分は俄《に....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
手に、盾をひきよせ、槍を高くあげ、十重二十重の包囲陣をつくって、海岸に押しよせる狂瀾怒濤のように、醤の陣営|目懸けて攻めよせた。 これに対して、醤の陣営は、闃....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
に静粛にわれわれは決してさわいではいかん」 「賛成賛成」の声が四方から起こった。狂瀾のごとき公憤の波はおさまって一同はぞろぞろ家へ帰った。 そのとき職員室では....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
ては極めて簡単な保守主義で、准后親房のような達識ではなかった。この大勢を看破せず狂瀾を既倒に回さんとのみ考えた。して見ると日野家の出なる義政夫人を母とし、この兼....
丹下左膳」より 著者:林不忘
たこの椿事《ちんじ》! 離れたが最後、雲竜相応じて風を起こし雨を呼び、いかなる狂瀾怒濤《きょうらんどとう》、現世の地獄をもたらすかも知れないと言い伝えられてい....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
米があるのだ。 朝、昼、夕、三度づゝ海へ行く。雨が降つても、低気圧襲来大暴風雨狂瀾怒濤といふ時でも、風をひいて熱があつても出掛けて行くので、人ッ子一人ゐない狂....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。波と岩との争闘の外に火と海との相剋がそこにある。揺すり動かし砕き去ろうとする狂瀾怒濤に抗して、不滅を叫ぶ興奮から岩礁はいやが上にも情熱の火を燃やす。遠空にか....
おさなき灯台守」より 著者:竹久夢二
。とりわけこの岬のあたりは、暗礁の多いのと、潮流の急なのとで、海は湧立ちかえり、狂瀾怒濤がいまにも燈台を覆えすかと思われた。 しかし住馴れた親子三人の燈台守は....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
さけんだ。 「モコウ! モコウ! モコウ!」 よべどさけべど、こたうるものは、狂瀾怒濤のみである。 「波にさらわれた!」 ゴルドンはふなばたから下を見おろし....
それから」より 著者:夏目漱石
ある。と今は考えている。 代助が真鍮を以て甘んずる様になったのは、不意に大きな狂瀾《きょうらん》に捲《ま》き込まれて、驚ろきの余り、心機一転の結果を来たしたと....