狂瀾怒濤[語句情報] »
狂瀾怒濤
「狂瀾怒濤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂瀾怒濤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犯人」より 著者:太宰治
憩《いこ》いを知らぬ帆は、 嵐の中にこそ平穏のあるが如くに、 せつに
狂瀾怒濤《きょうらんどとう》をのみ求むる也《なり》。 あわれ、あらしに憩いあり....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
に帰宅せん間は無暗《むやみ》に飛び込む訳には行かん。進化の法則で吾等猫輩の機能が
狂瀾怒濤《きょうらんどとう》に対して適当の抵抗力を生ずるに至るまでは――換言すれ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
の真面目が、日常茶飯事に対しては意表に出づる逸話となり、国事に触れては鉄壁を砕く
狂瀾怒濤となって行くもののようである。 蛇は寸にして蛇を呑む。翁が十歳ばかりの....
「謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
換言すれば深山幽谷に去って哀猿悲鳥を共として吟ずるか、もしくは環海の孤島に退いて
狂瀾怒濤に向って号叫すべしである。思えば吾輩も飛んでもない道楽を始めたものだ。 ....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
、そうした実例は十字街頭の到る処に発見される。 千軍万馬を往来した将軍の風格、
狂瀾怒濤に慣れた老船頭の態度等に現わるる、犯すべからざる姿態の均整と威厳は見る人....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
し――せっかちな激しさを加えた。五分もたつと、ヴァルーまでの海は一面に抑えきれぬ
狂瀾怒濤をまき上げた。が、怒濤のいちばんひどく猛り狂っているのはモスケーと海岸と....
「火星探険」より 著者:海野十三
士であった。博士の最後的努力が遂に効を奏したのだった。 嵐が急にやんだように、
狂瀾怒濤《きょうらんどとう》が一時に鳴りを鎮めたように、乗組員たちの気分は俄《に....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
手に、盾をひきよせ、槍を高くあげ、十重二十重の包囲陣をつくって、海岸に押しよせる
狂瀾怒濤のように、醤の陣営|目懸けて攻めよせた。 これに対して、醤の陣営は、闃....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
たこの椿事《ちんじ》!
離れたが最後、雲竜相応じて風を起こし雨を呼び、いかなる
狂瀾怒濤《きょうらんどとう》、現世の地獄をもたらすかも知れないと言い伝えられてい....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
米があるのだ。 朝、昼、夕、三度づゝ海へ行く。雨が降つても、低気圧襲来大暴風雨
狂瀾怒濤といふ時でも、風をひいて熱があつても出掛けて行くので、人ッ子一人ゐない狂....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。波と岩との争闘の外に火と海との相剋がそこにある。揺すり動かし砕き去ろうとする
狂瀾怒濤に抗して、不滅を叫ぶ興奮から岩礁はいやが上にも情熱の火を燃やす。遠空にか....
「魔都」より 著者:久生十蘭
が、然るべき筋にさえ真面目に信じられている際であるから、この事件によっていかなる
狂瀾怒濤が巻き起されるかも測り難い。しかも、もしも暗殺者の方が勝をしめ、密告者の....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
気が遠くなるような思いで待っているうちに楽屋のほうで波音を聞かせる。大波小波、
狂瀾怒濤。小豆をつかって無闇に波の音を立てるもんだから、見物の一同は船酔いするよ....
「おさなき灯台守」より 著者:竹久夢二
。とりわけこの岬のあたりは、暗礁の多いのと、潮流の急なのとで、海は湧立ちかえり、
狂瀾怒濤がいまにも燈台を覆えすかと思われた。 しかし住馴れた親子三人の燈台守は....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
さけんだ。 「モコウ! モコウ! モコウ!」 よべどさけべど、こたうるものは、
狂瀾怒濤のみである。 「波にさらわれた!」 ゴルドンはふなばたから下を見おろし....