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狂犬
「狂犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
懸命に吠《ほ》え立てました。
「あら、どうしましょう? 春夫さん。この犬はきっと
狂犬《きょうけん》だわよ。」
お嬢さんはそこに立ちすくんだなり、今にも泣きそう....
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
をできるだけ高価に売ることを考えた。 彼の顔は、その頃からやや蒼白な色を帯び、
狂犬のような瞳をしていた。戦友はそれを臆病だと解しようとしたが、彼は、それに抗議....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
で無くて細田氏が私を例の三角形事件と結び合わして承知していないのなら、私は平然と
狂犬の如き氏の横をすれちがって通るのがよい。たとえ理由なくとも、今向うからやって....
「天馬」より 著者:金史良
ぼと降り始めた。路行く人々の足が目立って急がしくなってゆく。玄竜は電車路の真中を
狂犬のようにあてどもなく進んで行った。もうぼうぼうの頭が雨に濡れて渦を巻き、肩は....
「大脳手術」より 著者:海野十三
ぜ) 私の胸は踊った。後は何が何やら夢中である。もう恐さも恥かしさもない。私は
狂犬のように横町から飛出していって、いきなり教授の腕を捉えた。それから教授をずる....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
手に噛みついた。 落下速度 「ああ痛い。軍曹どのに申上げます。軍曹どのは、
狂犬病に罹られました」 と、ピート一等兵は大粒の涙をはらいおとしながら、叫んだ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
あ、事だよ! すると、昨夜のはその猿廻しだ。」 十 「いや、黒服の
狂犬は、まだ妾の膝枕で、ふんぞり返って高鼾。それさえ見てはいられないのに、……そ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しゃるんです。……はじめは蜘蛛の巣かと思ったよ、とそうおいいなさるものですから、
狂犬でなくて、お仕合せ、蜘蛛ぐらい、幽霊も化ものも、まあ、大袈裟なことを、とおか....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
すか。」 「うむ、何だよ、その娘の跡を跟けまわしてな、から厭がられ切ってる癖に、
狂犬のような奴だ、来たかい! 弱ったな、どうも、汝一人で。」 「何でございます。....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
はあきれしさまにて。われまたほほえみてこれに応えざるを得ざりき。君はこのごろ毎夜
狂犬いでて年若き娘をのみ噛むちょううわさをききたまいしやと、妹はなれなれしくわれ....
「郊外」より 著者:国木田独歩
画家はやめるのだゾ、よしか、それでよければ向け、もしこの森にいるとかうわさのある
狂犬であっておれの後ろからいきなり頸筋へ食らいつくなら着いてもいいではないか。そ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
三屋、その男にはさわらぬがよい」 見かねて造酒が取りなした。「その男は病人だ。
狂犬病という奴でな、むやみに誰にでもくってかかる。アッハハハハ、困った病気だ。そ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ると大変。 暗がりを啣え楊枝、月夜には懐手で、呑気に歩行いてると、思いがけねえ
狂犬めが噛附くような塩梅に、突然、突当る奴がある、引摺倒す奴がある、拳固でくらわ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
に来せやあがったか。 から段々落ちに、酒も人間も悪くなって、この節じゃ、まるで
狂犬のようですから、何をどう食ッてかかろうも知れませんや。何しろ火の玉なんでね。....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
ものを捕まえる。彼等は革命を救うという口実の下に、実はそれに轡をはめるために、「
狂犬ども」を死刑にしたロベスピエールやサン・ジュストの輩の真似をする。 で、革....