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狂的
「狂的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
たださえ険相な顔が、よりいっそう物凄く見えるのだった。そのように、滝人には一つの
狂的な憑着《ひょうちゃく》があって、その一事は、すでに五年越しの疑惑になっていた....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
とにコスター聖書は、自身を河竹に奪わせなかったのです」 「おお」 鹿子が思わず
狂的な偏執を現わし、卓子の端をギュッと掴んだ。 「如何にも、河竹に続いて、私はコ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
いつ》し只ならぬ事態が窺《うかが》われる次第であるが、それが後になって更に一層発
狂的命名をもって「地球発狂事件」と唱えられるに至ったのである。この改訂の命名者は....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
。今の世に美術無し、というが、これが責めを負うべき者はたれぞ。古人に対しては、熱
狂的に嘆賞するにもかかわらず、自己の可能性にはほとんど注意しないことは恥ずべきこ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、誰方も滅多にお室から出ないようになり、ことにダンネベルグ様の御様子は、ほとんど
狂的としか思われません。御信頼なさっている私か易介のほかには、誰にも食事さえ運ば....
「恐竜島」より 著者:海野十三
まにしておくことは出来ない」 ケンは厳粛《げんしゅく》に言いはなつと、今まで熱
狂的《ねっきょうてき》にあおいでいた眼をふせて、岬のはずれをふたたび見守った。 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
て彼の顔をおおうと、バグリオーニは続けて言った。 「彼女の父はこの学術に対して、
狂的というほどに熱心のあまり、わが子をその犠牲とするに躊躇しなかったのだ。公平に....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
っとした。トンネルの入り口に近いところで、ひとりの男が左の袖を眼にあてながら、熱
狂的にその右の手を振っているのである。 わたしを圧迫したその言い知れない恐怖は....
「墓」より 著者:秋田滋
たほどの愉しい気持ちが漲って来るのでした。彼女の微笑はまた、わたくしの眼のなかに
狂的な悦びを注ぎ込み、わたくしに、雀躍りをしたいような、そこらじゅうを無茶苦茶に....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
だった。 そうと知って、紅琴は愕然としたけれども、千古の神秘をあばこうとする、
狂的な願望の前には、なんの事があろう。二人は、互いに励ましながら、氷を割り砂を掘....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
て、その皮膚の下に、筋肉の反応がありありと見えるくらいであるが、その様子はむしろ
狂的で悲劇的で、絶えず彼は、自分の頓死を気づかっているのではないかと思われた。 ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。 「成程、心理試験か……」検事が訊ねるともなしに呟くと、この一葉の上に、法水が
狂的な憑着をかけているのが判った。 「うん、推摩居士の行衣の右袖に、瓢箪形の血痕....
「寡婦」より 著者:秋田滋
い情熱をもっていて、全身がその熱でもえ、それがこの人たちを駆って、とんでもない熱
狂的なことをさせたり、狂気の沙汰とも云うべき献身的なことをやらせたり、果ては犯罪....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
すのは夜の十時頃からです。支那人のボーイが各卓子の上にビールや洋酒を運ぶ間に、熱
狂的な、胸を踊らす音楽が始まり、男女の恋心をそそりたて、悩みに火をつけるのです。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
せんとする「殲滅戦」への徹底である。 彼はこの思想を全ドイツ軍に徹底するため熱
狂的努力を払った。彼の思想は決して堅実とは言われぬ。彼の著述した戦史研究等も全く....