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狂躁
「狂躁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂躁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
んだね」と私は言った。「――誰か近所の癲狂院《メゾン・ド・サンテ》から逃げ出した
狂躁《きょうそう》性の気違いが」
「ある点では」と彼が答えた。「君の考えは見当違....
「斗南先生」より 著者:中島敦
ひげ》の伯父」(甥《おい》たちはそう呼んでいた。)の物静かさに対して、上の伯父の
狂躁性を帯びた峻厳が、彼には、大人げなく見えたのである。似ているといわれるたびに....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
の方が申すなら、見せても遣わそう。したが、この独創天心の流儀は、そのように焦心、
狂躁いたすようでは、なかなか悟入することは覚束《おぼつ》かないぞ――」
そして....
「創生記」より 著者:太宰治
れは、――。けれども、先生、傷がつくにも、つけようございませぬ。山上通信は、私の
狂躁、凡夫尊俗の様などを表現しよう、他にこんたんございません。先生の愛情について....
「白痴」より 著者:坂口安吾
々と作られ、生フィルムは欠乏し、動くカメラは少なくなり、芸術家達の情熱は白熱的に
狂躁し「神風特攻隊」「本土決戦」「ああ桜は散りぬ」何ものかに憑かれた如く彼等の詩....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
。まだ雪は降らないが、もう年も暮れようとする山国は寒々とうらがなしい。若者たちの
狂躁は雑然騒然、体をなしていないが、まったく、熱帯の密林よりも原始的に見えてくる....
「現代とは?」より 著者:坂口安吾
がちだが、これが、つまり、老人のクリゴトと同じ性質のものだ。 現代の若者たちは
狂躁なジャズのリズムにのってカストリの濛気をフットウさせカンシャク玉がアバレルよ....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
ふ覚悟で、各々の秘密集会所で祈り泣き歌ひ、牛小屋を清めて水をはり、彼らはもう死の
狂躁と遊んでゐた。それは神父金鍔次兵衛の指図であり、絶望と破壊の遊戯は彼の姿の影....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
も君であった。――ちぇっ! 僕はなぜこうべらべらしゃべってしまうのだろう。軽薄。
狂躁。ほんとうの愛情というものは死ぬまで黙っているものだ。菊のやつが僕にそう教え....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
をこまかく観察する条件を失ってしまったのである。 然し、廊下や洗面所や便所で、
狂躁にみちており、無礼であり、センスを失い、ガサツな人々はむしろ概ね附き添いたち....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
をピッタリ閉めて了った……。 そして、おお、呆然として了った秋田の耳へ、軈て、
狂躁なジャズの音が、軽いステップの音と一緒に、隣室から聞え始めて来た。 全く、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
には枝葉を繁らす樹木もなく濶達な青空もない。すべては発火点に達して、夢中になって
狂躁曲を奏しているようにしか見えない。その光景は正に迷妄世界の大火災を思わせるが....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ごろから、何千語あるのか何方語あるのか知らないが、夥しく言葉を費して、なんとまア
狂躁にみちた言々句々を重ねているのでしょうね。文士の私がとても自分の力では思いつ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
り入れられたことがないのである。 その不自然さはパチンコの日本征服というような
狂躁にみちた狂い咲きとなって現れたり、坊主でもないくせに出家遁世の志となって現れ....
「俳優への手紙」より 著者:三好十郎
と泣きベソを掻く(丁度君がしているように!)と言う、殆んどヒステリー患者に類する
狂躁状態だけが君達を支配したのである。この
狂躁状態は君の裡に今尚続いている。そし....