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狎
「狎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
娘で、気立ても大変おとなしいのですが、どういうわけか子供のときから妾のお早によく
狎《なつ》いて、お早も我が子のように可愛がっていたと云うことです。ねえ、親分。こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の能役者と後の若侍と、なんにも係り合いのないことでした。誰が考えてもこのふたりは
狎《な》れ合いだと思われましょう。現に伊藤の亭主も一途《いちず》にそう思い込んで....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
間ぐらいは距れてゆくのを例としていた。熊や狼をあつかっていたお紺に取っては、犬を
狎らすのは容易であった。二匹の犬はなんでも素直に主人の命令をきいた。 彼女はこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は父が自分から進んで菩提寺へ出て行ったように話していたが、あるいは女房と番頭とが
狎れ合いでうまく勧めて追い出したのではあるまいかとも疑われた。年も五十を越して、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
何の手懸りもなかったのですか」 「そう、……ちょうどいい、浅間君」と、怪科学者は
狎れ
狎れしく僕の名前を呼び、「いまの君の答で、求むる結果は、うまく出たのだから、....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
は、今の今迄、恐らく皆の脳裡から忘却されていたのであろう。それほど、一同は異常に
狎れていた。それを今、電線の発見から、再び一同の頭には関係づけられて考えられて来....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
いう手段が、人道上許されるものであろうかどうか。奇怪にも友人の細君だった婦人を、
狎れ
狎れしく、かき抱いてゆく大蘆原軍医は、誰よりも一番恐ろしい、鬼か魔かというべ....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
った。また、その押丁が看守になってからでも、みんなはやはり、前と同じように親しみ
狎れ、または軽蔑していた。ある押丁あがりの看守のごときは、その男は今でもまだ看守....
「良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
なども妻の助けとなるべきです。但し呉々も妻は己の職業に慢心して大切にして貰う夫に
狎れ、かりにも威張ったり増長せぬこと。月並の戒のようなれど、余程の心がけなくては....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
見えるのだろうと思うが、実際は、そう言う長い歴史を経て来ているのだから、そう言う
狎れた気持ちでいるようになったものである。こうした事情で、だんだん激しくなる将来....
「中支遊記」より 著者:上村松園
を上り、上海近くなると知名の新戦場も甲板の上から指呼のうちにあるのだが、それには
狎れた乗客達なのかみな近づく上海の方ばかりに気をとられている風であった。もう戦場....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
……。（つと起って妹の襟髪をとる。）人もあろうに、源氏方……しかも那須の一門に、
狎れ馴染んだる憎い奴……。一｜刻もここには置かれぬ。さあ出てゆきゃ、出て行こうぞ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
いのみならず、教師自身が率先して種々の名目の下に青年男女を会同し、自由に野方図に
狎戯け散らすのを寛大に見た。随って当時の女学校の寄宿舎の応接室に青年学生の姿を見....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
れていた。 お杉は重蔵に比べると、殆ど十歳ばかりの姉であったが、何時か此二人が
狎馴染んで、一旦は山の奥へ身を隠した。お杉の家でも驚いて、そこの森や彼処の谷合を....
「世間師」より 著者:小栗風葉
まで世話をしてやる。そして同宿の者のいない時なぞ、私の目にもおかしく思われるほど
狎々しい。男の方にはそんな気もなかろうが、女はたしかに持ちかけているのだと私も思....