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「狐格子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

狐格子の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
隆盛、身の安泰、武運長久、文運長久」 こう祈って顔を上げて見ると、社殿の縁先|狐格子の前に一人の老人が腰かけていた。朧ろ朧ろの月の光も屋根に遮られてそこまでは....
春昼」より 著者:泉鏡花
として夢に花園を仰ぐ思いがある。 それら、花にも台にも、丸柱は言うまでもない。狐格子、唐戸、桁、梁、※すものの此処彼処、巡拝の札の貼りつけてないのは殆どない。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
之助は、障子をあけてカラカラと格子戸を立てました。外の雨戸のほかに、この座敷には狐格子《きつねごうし》の丈夫な障子がまた一枚あります。その格子戸を立て切ると竜之....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
り、遥に見え、何だか自分が寝た診察台の、枕の下へ滅入込んで、ずっと谷底の古御堂の狐格子の奥深く点れたもののごとく、思われた……か思ったのか、それとも夢路を辿る峠....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
う篆額が掛っているが、堂とは名のみのこと、内部には板敷もなく、入口にもお定まりの狐格子さえない。そして、残りの三方は分厚な六分板で張り詰められ、それを、二つの大....
オランウータン」より 著者:豊島与志雄
多くの小さな絵馬。身を屈めて中をのぞきこむと、蝋燭の焔に黒くすすけた石壁の中に、狐格子がはめこんであり、長い髪の毛の束が所々に結びつけられている。格子の中は真暗....
非情の愛」より 著者:豊島与志雄
となど、彼等の祈念には何の影響もないのだ。お蝋所は、一種の洞窟みたいなところで、狐格子が立てきってあり、それに、紅白ないまぜの布や、女の長い髪の毛や、何だか分ら....
南国太平記」より 著者:直木三十五
う」 町へ近づいたので、屋並が多くなってきた。びらが、大きい木の幹だの、辻堂の狐格子だの、酒屋の軒下だのへ、貼ってあった。 「庄公、江戸の流行唄、って触込みで....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ある。 川から上がった弦之丞、草を分けて奥へ奥へと入ってゆく。そこで、誓文神の狐格子をふり仰いで、はてな! と少し立ち迷った。 「たしかにこの辺へ来た筈だが?....