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狒
「狒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おそろしい眼を瞋《いか》らせていた。 「これが宮本|無三四《むさし》か何かだと、
狒々《ひひ》退治とか云って芝居や講釈に名高くなるんですがね」と、半七老人は笑った....
「赤外線男」より 著者:海野十三
た。左の眼と、右の眼と、視る物の色が大変違うなんて、ほんの一つのあらわれだ。あの
狒々のような大女は、自分と反対に真珠のように小さい深山先生に食慾を感じていろいろ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
御前が不意の御呼び出しで御登城なすったお知らせいただいたんで、どうせこりゃ腰本の
狒狒侍の小細工、この上どんなたくらみしやがるかと屋敷の前へ張って容子をさぐってい....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
あるのだ。この市に集うもの、すべて、むさぼりくらうこと豚のごとく、さかんなること
狒狒のごとく、凡そわれに益するところあらむと願望するの情、この市に住むものたちよ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。俺は信ずる。すくなくとも褌はしめていられると」 「ふ、ん、ど、し!」 大辻は
狒々のように大口をあいて、 「ば、ばかっ」 「いや、それは冗談だが、襦袢を着てい....
「怪譚小説の話」より 著者:田中貢太郎
たのとは甚だしい相違である。 またその叢書の中の『幽怪録』には、岩見重太郎の緋
狒退治というような人身御供の原話になっているものがある。それは唐の郭元振が、夜、....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
で、貴族で、大佐令嬢たるカテリーナ・イワーノヴナをすてて、町長のサムソノフという
狒々爺《ひひおやじ》の小商人に囲われていた、グルーシェンカと結婚するんだ。こうし....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
る者はやはり馬に相違ないといった。ある者はどうも熊のようであるといった。ある者は
狒々ではないかといった。しかし馬に似ているという説が多きを占めて、茂左衛門の眼に....
「死んでいた狒狒」より 著者:田中貢太郎
、谷の前方の声のしていた方へ往ってみた。そこに杉の大木があって、その根元に大きな
狒狒が口から血を吐いて死んでいた。....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
んの盆を、どういうものか、もう一度彦七がわざとやけに引取って、 「飛んだお供物、
狒々にしやがる。若奥様は聞いただけでも、禿祠で犠牲を取ったようだ。……黒門洞擂鉢....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
あ思もつかなかったからでしょう、あのお夏さんに、こんな友達があると思った日にゃ、
狒々に人間の情婦が出来るとあきらめなけりゃなりません、へい、希代なもんです。」と....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
の屋敷猫を殺しむくいし事 下谷辺にて浪人居宅|化霊ありし事 三州岡崎宿にて旅人|
狒々に逢う事 奥州にて旅人山に入り琴の音を尋ねる事 題を見ただけでも、唐から渡....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
の時から山※なるものに就て尠からぬ好奇心を生じた。 「※とは何だろう。矢はり猿か
狒々の一種か知ら。」と、市郎は頻に考えた。 七兵衛が去った後の裏庭は閑静であっ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
下は震えけり。金時は頭を掉り、「なに鬼や土蜘蛛なら、糸瓜とも思わねえ。「己もさ、
狒々や巨蛇なら、片腕で退治て見せらあ。「我だって天狗の片翼を斬って落すくらいなら....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
をつくって踊っている、その真中に酋長の娘とでも云いたいような、若い女と一|疋の大
狒々とがふざけ散らしながら、お客さん達に盛んに愛嬌をふりまいている。滑稽な身振り....