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「狡智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

狡智の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
反えして私達に切ってかかる。私達は自分の言葉故に人の前に高慢となり、卑屈となり、狡智となり、魯鈍となる。 かかる言葉に依頼して私はどうして私自身を誤りなく云い....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
。保養とは世間の人に云う上べの言葉で、……と規矩男は稚純に顔を赫らめながら、やや狡智らしく鼻の先だけで笑った。 「ではお父さまの云われた人生の本ものとかを、今か....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。しかも、その事件には驚くべき深さと神秘とがあって、法水麟太郎はそれがために、狡智きわまる犯人以外にも、すでに生存の世界から去っている人々とも闘わねばならなか....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、運命の無言の使者だったのだ。咆えもせず、じっと瞳を据えて人間を見わたしている、狡智、残忍というか慄っとなるような光。これぞ、極洋の狼、孤独の海狼と――なんだか....
「斜陽」より 著者:太宰治
を、いちいち見破っておしまいになったのでしょう。本当に、私はあの手紙の一行々々に狡智の限りを尽してみたのです。結局、私はあなたに、私の生活をたすけていただきたい....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
時頼公に召出され、めでたく家運隆昌に向ったという、これは後の話。 さて、浅田の狡智にだまされた青砥左衛門尉藤綱は、その夜たいへんの御機嫌で帰宅し、女房子供を一....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
であり、さすがに中世ともなれば進歩したもので、勇気などは始めからもうアパパイで、狡智、策戦、たちどころに徒党を結んで、商人は商人の座、工人は工人の座、パンパンは....
「明治開化　安吾捕物」より 著者:坂口安吾
奴らだなア。まるでオレを下手人と見せかけるように、この邸内へひきいれて殺すとは、狡智きわまる細工ではないか。オレの云うことはそれだけだ。あとはお前らの働きだが、....
「明治開化　安吾捕物」より 著者:坂口安吾
郎が登場を乞われて魔の犯人と腕くらべをするに至ったのであるが、犯人の世にも聡明な狡智によって幾重にも張りめぐらされた奇々怪々なカラクリ、実に明治最大の智能的殺人....
「明治開化　安吾捕物」より 著者:坂口安吾
通じた彼がそれを楽にやりとげることは決して不可能ではありますまい。蛭川真弓は実に狡智にたけた悪党でしたが、晩年は倅に押されて愚に返ったようですね。私は蛭川家のオ....
「明治開化　安吾捕物」より 著者:坂口安吾
彼が小栗に位置をゆずって、代言人の事務所をひらいて別居したのは三年前です。次には狡智にたけた元番頭の天心堂も加十の居所変名を知らないこと。特に注意すべきは居所な....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
。大ボラをふくだけあって多少は腕に覚えがあろうし、江戸で十何年もいた奴はどういう狡智悪計にたけているか知れない。 近郷近在のアンニャのうちで、衆評一致した豪の....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
如く、 堅忍不抜は北辺の民の如しと云う工合です。 その先生にお頼なさって、宏量と狡智とを兼ねて、 温い青春の血を失わずに、 予定の計画どおりに恋をすると云う 秘....
「こがらし」より 著者:岩本素白
金の交って居る釣鐘を盗み出す群盗の話を読んだ。話は昔の中国の偸盗説話に繋るような狡智をきわめた手段を用いたもので、それは、黒風吹きすさみ、人々も家の戸を閉じて居....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ましょう。しかし、ただの童心というものは、文字どおり童心一枚だけのものであって、狡智に嚮い、悪辣に懸かったときには、ひと堪まりもなく壊れてしまいます。欺され陥れ....