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「狡獪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

狡獪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
元の乱の張本人となって、ぬしの知れない流れ矢に射られた。 信西入道はあくまでも狡獪《こうかい》なる態度を取って、前度の乱にはつつがなく逃れたが、後の平治の乱に....
「安井夫人」より 著者:森鴎外
なった男である。お佐代さんが茶を酌《く》んで出しておいて、勝手へ下がったのを見て狡獪《こうかい》なような、滑稽なような顔をして、孫右衛門が仲平に尋ねた。 「先生....
「明暗」より 著者:夏目漱石
く》さがそこには存在していなかった。下劣とまで行かないでも、狐臭《きつねくさ》い狡獪《こうかい》な所も少しはあった。小額の金に対する度外《どはず》れの執着心が殊....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
、世に頑愚固陋の徒あり、衆民多数の康福を主張するを指して叛逆不臣の説となす、世に狡獪｜姦佞の輩あり、国家権威の鞏固を唱道するを誣いて専権圧制の論となす、大識見を....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
現実の背景が少し貧弱で、何か物足りない感じであった。やがて圧倒的な、そして相当｜狡獪な彼の激情に動かされて、とにかく葉子は帰ることに決めた。 「じゃ、もうちょっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
忘れてはまた煙草をくれと云う。正直の仙さんは一剋で向張りが強く、智慧者の安さんは狡獪くて軟な皮をかぶって居た。 夏は乞食の天国である。夏は我儕も家なンか厄介物....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
崎代官所で幅を利かせていたころから、目から鼻へ抜ける才智と、ころんでも只は起きぬ狡獪《こうかい》さとで鳴らした人間だけあって、現在は、浮世ばなれた、暢気《のんき....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
詰問しはじめた。女はただ「存じません、存じません」と云った。玄機にはそれが甚しく狡獪なように感ぜられた。玄機は床の上に跪いている女を押し倒した。女は懾れて目を※....
「計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
かも子供と侮ってか、シムソンは彼の企みを、さも自慢らしく述べ立てました。何という狡獪さ。盗んだものを、警視庁に置いて平然としているとは、実に驚くべき悪智恵ではあ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ると思う。事によると、汝はそれ丈の証明では不充分であるというかも知れぬ。成るほど狡獪なる霊界人が、欺瞞の目的を以て、細大の歴史的事実を蒐集し得ないとは言われない....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ていることを知っていた。そして彼がこう思ったのは、けっして思い違いではなかった。狡獪《こうかい》で片意地な道化者のフョードル・パーヴロヴィッチは、彼自身の言いぐ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
て決然と戦いを宣するのである。それこそ恐るべき闘争であって、この悲惨は、あるいは狡獪《こうかい》となりあるいは猛烈となり、有害にまた同時に獰猛《どうもう》となっ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
額が出てきた。鼻は嘴《くちばし》のようにとがった。肉食獣のような獰猛《どうもう》狡獪《こうかい》な顔つきが現われた。 「男爵の申されるとおりです。」と彼は全く鼻....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
ず、悪しき者は益※悪に陥りて、専心取締りの甘心《かんしん》を迎え、漸《ようや》く狡獪《こうかい》陰険の風を助長するのみ。故《ゆえ》に監獄の改良を計らんとせば、相....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
よ」 しかし大佐は依然として、憑かれた者のように、ホームズを見つめ続けた。 「狡獪極まる悪魔め！ 狡獪者の悪魔め！」 大佐は結局こうした言葉の外は何も云えな....