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狩場
「狩場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狩場の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
れとなく待ったこともある。 しかし、惣八郎は無事息災であった。事変の起りやすい
狩場などでも、彼は軽捷《けいしょう》に立ち回って、怪我一つ負わなかった。その上に....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
りに王宮へ帰って行った。 八 象牙《ぞうげ》の机 贋《に》せ藍丸王は
狩場から宮中へ帰って、晩の御飯を済ますと直ぐに、家来に云い付けて、自分の室《へや....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
話でさ――」と彼は口をつぐんだ。
ご一新の前も何年か昔のことであった。彼は、石
狩場所を目当てにして募られた漁夫のうちにいた一人であった。
そう云えばまッ当ら....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
な時の馬は確かに情款濃く、撫愛されて悦び他馬の寵遇を嫉み同類遊戯するを好み勇んで
狩場に働く。虚栄の念また盛んで馬具で美麗を誇る、故にスペインで不従順な馬を懲らす....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、かの僕秀府の妻女を犯しあまつさえ秀府を殺して夫婦とならんと密契あり、郎従秀府を
狩場へ誘い出して山中にて弓を引き矢を放たんとす、秀府が秘蔵の犬大黒小黒二疋、かの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、「墨坂」の名は古代史に著《あら》わる。「鳥立《とだち》たづぬる宇陀《うだ》の御
狩場《みかりば》」というのは宇陀の松山からかけて榛原より西峠、山辺郡に至るあたり....
「猫吉親方」より 著者:楠山正雄
やしくおじぎをして、 「王様、わたくしは、主人カラバ侯爵からのいいつけで、きょう
狩場で取りましたえものの兎を一ぴき、王様へけん上にあがりました。」 カラバ侯爵....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
垣《よせがき》前で下馬すると、将軍はお仮屋のうちで少憩。辰の下刻、鳥見役の案内で
狩場に立ちいでる。 いちめん茫々とひろい草地の上のところどころに葭簀張《よしず....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
るように口早にまた言った。 「さあ早う。猶予している場合ではござらぬ。お身たちは
狩場の鳥獣じゃ。狩人に見付けられたら何とせらるる。さ、早う。」 こう言うところ....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
じ、その鹿は小山四郎朝政の斃《たお》すところとなってしまつた。面目を失った行秀は
狩場において薙髪《ていはつ》し逐電して熊野に入り、ここで日夜とも法華経を読誦して....
「このたび大阪」より 著者:古川緑波
南の野間の天ぷら。お上品で、軽くて、いくらでも食える。二十日 北の駅前、香穂のお
狩場焼。蛤《はまぐり》や海老等の海産物と、牛肉豚肉鶏肉、ごっちゃまぜ。エプロンか....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「お城へ帰れ」 巌流は、鷹の足環を解いて、鷹を拳から空へ放った。 鷹は、常の
狩場の的のように、空へ翔けると、逃げる海鳥へかかって、白い羽毛を降らした。しかし....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
見ていても、食物は大抵大丈夫、住居はこの辺がよかろうではないかと啼くものと、虫の
狩場はここときめた、巣は先ずここで我慢をしようと相談を掛けるのと、二通りあること....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
う。其傍から左に杉並木の間を上って行けば、物見塚という小丘の上へ出られる、頼朝が
狩場の働きを見物した場所であると伝えられている。塚へは上らずに尚お一町余り行くと....