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独り占め
「独り占め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独り占めの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
此は思う壷だと喜びました。こうなれば、お糸も伊之助とは確かに手切れで、男は自分の
独り占めだと喜んだのですが、唯それだけでは済ませません。その隠れ家へ時々に押し掛....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
肉情の芽が、はっきりと感じられてきて、いつかの貴方と同様に、時江さんの身体まで、
独り占めにしたい欲望が擡《もた》がってまいりました。あの雪毛のような白い肉体が、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
実験は吾輩がやるのが当然さ。だから彼奴はこんなトリックを用いて、この実験の結果を
独り占めにしようとしたんだ……彼奴は出来る限り吾輩を見殺しにしようとしたんだよ」....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
通りではない。 然るをこの花火、玉屋は火を過って遂にその株を失い、今では鍵屋が
独り占めながら、揚げられた花火の賞美には相変らず「玉屋ァい」が多く、殊に口惜しき....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
ると横になって、すいと通る。 時に、他に浮んだものはなんにもない。 この池を
独り占め、得意の体で、目も耳もない所為か、熟と視める人の顔の映った上を、ふい、と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いもつかないものを買い込んで、仲間をあっと言わせ、お客を煙《けむ》に捲いて人気を
独り占めにしたものでございます。印度から黒ん坊の槍使いを買い込んで、あすこで打ち....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
たことを思い出す人さえも少なくなった。それに引きかえて、一方の富子は世間の人気を
独り占めにして、その評判は年ごとに高くなった。 その富子が偶然に雛吉の故郷の町....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を現したのは五十嵐であった。彼は目を怒らせて、 「船長。今晩は特別の宴会だ。女を
独り占めにしちゃア困るじゃないか。オレたちの席へも女をまわしてもらいたい」 す....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
。」 いかなる場合にも人間には功名心がある。甚七と市五郎も海馬探検の功名手柄を
独り占めにしようという下心があるので、結局他の者どもを出しぬいて、二人が今夜ひそ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
あんたに骨を折らして置きながら、話が纒まりかけると、急にあんたを袖にして、口銭の
独り占めなんてえのはあんまり太い。いかに何でもそれァいけねえ」
と、ここがキキ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
腕白猫めは頗る健啖家で、少とやそっとのお裾分では満足しなかった。刺身の一と皿位は
独り占めにベロリと平らげてなお飽足らずに、首を伸ばして主人が箸に挿んで口まで持っ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
別ができました。中にも長吏すなわちこれら落伍者中の首領たるものの多くは、皮革業を
独り占めにし、太古以来の習慣たる肉食の風習を罷めなかったがために、「特に身に穢れ....