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独り寝
「独り寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独り寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
京の町からこのようなことを聞いて来たというて話しゃれた。先日関白殿のお歌の会に『
独り寝の別れ』というむずかしい題が出た。
独り寝に別れのあろう筈がない。こりゃ昔か....
「新生」より 著者:島崎藤村
。彼女は自分と共にある、自分もまた彼女と共にあるだろうか、そんなことを思いながら
独り寝た。どうかすると彼は半分夢のように、自分の耳の底の方で優しいささやくような....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
すから……」 「おひとりでおやすみですか」 「ええ、どうしてです。私のベッドに、
独り寝ます。妻は、まだありません」 「誰か、当夜ベッドに寝ていられてのを証明する....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
、連れてこられた東京の学生上りは、こんな筈がなかった、とブツブツ云っていた。 「
独り寝だなんて、ウマイ事云いやがって!」 「ちげえねえ、
独り寝さ。ゴロ寝だもの」....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
な 秋きぬと虫ぞなくなるふるさとの庭の真萩も今や咲くらむ おもひやれ旅のやどりの
独り寝の朝けの袖の露のふかさを あはれとや月もとふらむ草枕さびしき秋の袖の上の露....
「黴」より 著者:徳田秋声
、平手で敲きながら、寝衣姿で蒲団のうえにいつまでも起き上っていた。 翌日笹村は
独り寝の小さい蚊帳を通りで買って、新聞紙に包んで抱えて帰った。そしてそれをお銀に....
「爛」より 著者:徳田秋声
よ。」 お増はそう思いながら、やっと自分が自分の匿されている家に、蚊帳のなかで
独り寝ているのだということが頭脳にはっきりして来た。見ると部屋にはしらしらした朝....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、相対間男ではないかと僕は鑑定するが、今聞けば急に越後へ立つと云い、僕をはいて君
独り寝ている処へ源次郎が踏込んでゆすり掛け、二百両位の手切れは取る目算に違えねえ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
の風邪に冒されてより枕あがらず、秋の夜|冷に虫の音遠ざかり行くも観念の友となって
独り寝覚の床淋しく、自ら露霜のやがて消ぬべきを悟り、お辰|素性のあらまし慄う筆の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
く啼くのを聞いていて、「われ劣らめや」(秋なれば山とよむまで啼く鹿にわれ劣らめや
独り寝る夜は)と吐息をついたあとで、 里遠み小野の篠原分けて来てわれもしかこそ声....
「源氏物語」より 著者:紫式部
おあげするのであった。中納言の君や中将の君はお居間に来てお話し相手を勤めた。 「
独り寝がなんともいえないほど寂しく思われる夜だった。これでも安んじていられる自分....
「源氏物語」より 著者:紫式部
のことなどを知っては、いっそう自分を恨めしく思うことであろうなどと、切実に寂しい
独り寝をする夜ごとに薫は、風の音にも目のさめてこんなことが思われ、過去と未来を思....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
号を聞いて心を躍らせながらその病室の戸を開けて見ると、室内は闃として、子規居士が
独り寝台の上に横わっているばかりであった。余は進んでその傍に立って、もし眠ってい....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
群衆った中には交らないで、ひとり、束髪の水際立った、この、かげろうの姿ばかりは、
独り寝すると思ったのに―― 請う、自惚にも、出過ぎるにも、聴くことを許されよ。....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
思いがけないある微かな、けれども確かな反響を聴きとるであろう。 幾度びか、僕の
独り寝の夜の枕べに訪れて来たマルセル・プルウストのやさしい声が、今日この明るい十....