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「独り身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

独り身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
茂兵衛は金右衛門と同年配の三十九で、おととしの暮れに女房に死に別れ、その後はまだ独り身である。店には米|搗《つ》きの安兵衛、藤助のほかに、銀八、熊吉という若い者....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
此であった。弁天様から授けられた子であるから、やはり弁天様と同じようにいつまでも独り身でいなければならない。それが男を求めようとするために、弁天様の嫉妬の怒りに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
二十歳《はたち》を越えてから巫子をやめて、市子を自分の職業としていた。彼女は一生独り身であった。彼女自身の申し立てによると、彼女は一匹の管狐《くだぎつね》を養っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「その吉見というのは幾つぐらいの人ですね」 「二十三四にもなりましょうか」 「独り身ですかえ」 「組が違うのでよく知りませんが、もう御新造がある筈です。そうで....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
白のおとなしい男で、近所の若けえ女なんぞには評判がいいそうです」 「信次郎はまだ独り身か」 「そんなわけで、男はよし、身上はよし、年頃ではあり、これまでに二、三....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
これで、この泥坊が足を洗えりゃ、俺は一つの陰徳をしたというもんだ。 なにしろ、独り身で金の使いようもないうえに、週給五百ドルをもらう折竹のことであるから、たか....
思い出の記」より 著者:小泉節子
、色々神代の面影が残って居るだろうと考えて、辺鄙で不便なのをも心にかけず、俸給も独り身の事であるから沢山は要らないから、赴任したようでした。 伯耆の下市に泊っ....
振動魔」より 著者:海野十三
自分の財布に相談してはいつになっても得られないような御馳走にありついたり、遇には独り身の鬱血を払うために、町はずれの安待合の格子をくぐるに足るお小遣を彼からせし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
御亭主を持っていられると、今にお命にもかかわるような禍いが来る。出来ることならば独り身におなり遊ばすとよいが、さもないとあなたばかりではない、お嬢さまにも、おそ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
千住の生まれで、女中奉公をしている女としては顔や形も尋常に出来ているので、主人が独り身であるだけに、近所でもとかくの噂を立てる者もあった。惣八も時々にかれにから....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
森垣さんは飛んだことをしたと今更後悔しましたが、どうにも仕方がない。それでも独り身の気安さに、ふだんから親くしている人達から内証で恵んでくれた餞別の金をふと....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るのでした。『良人もなければ、家もなく、又跡をつぐべき子供とてもない、よくよくの独り身、兎も角も鎌倉へ戻って、心静かに余生を送るのがよいと思うが……。』いろいろ....
」より 著者:岡本綺堂
一、幸吉は廿六で、本所の番場町、多田の薬師の近所の裏長屋に住んでいる。幸吉はまだ独り身だが、兄の友蔵には、お常という女房がある。このお常に少し因縁がある。」 「....
」より 著者:岡本綺堂
をこじらせたのであったが、幸いに娘が泊り合せていたので、彼は親切な介抱をうけた。独り身の病人を見捨てては出られないので、娘はその次の日も留まって看病していたが伊....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
父は私の妻の実家で酒を飲んでいたんだし、昨晩のあの九時ごろはたぶん盛岡附近を老の独り身を汽車に揺られていたわけであるが――がそれにしてもこのあわただしい出て来方....