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「独力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

独力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
てやろう。がそう決心しているうちにも、深い淋しさがひしひしと俺に迫ってきた。俺に独力で出る力があるか、俺は自分の天分を、それほどまで信ずることができるだろうか。....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
間、徒らな勧進に努めたが、何人《なんびと》もが耳を傾けぬのを知ると、奮然として、独力、この大業に当ることを決心した。彼は、石工の持つ槌と鑿《のみ》とを手に入れて....
一つの世界」より 著者:伊丹万作
で、現在の戦争はよほどの大生産力がなければやって行けない。したがって小資本の国は独力で戦争ができなくなり、自然大資本国に吸収されるわけだ。 さて民主国と共産国....
食魔」より 著者:岡本かの子
死も原因して彼は公的のものと一切関係を断ち、売れそうな漢字辞典や、受験本を書いて独力で出版販売した。当ったその金で彼は家作や地所を買入れ、その他にも貨殖の道を講....
我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
れば、厩舎の情報など聞かざるに如かず。 一、自己の研究を基礎とし人の言を聴かず、独力を以て勝馬を鑑定し、迷わずこれを買い自信を以てレースを見る。追込線に入りて断....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
。柴田を初めとした諸将の代官なぞ、京都に来ているが、有名無実である。更に十月には独力信長の法事を、紫野大徳寺に行った。柴田等にも参列を勧めたが、やって来るわけも....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
、千代田城に次いで名高かった。 金鯱で有名な天主閣は、加藤清正が自分が請うて、独力で経営したものであって、八方正面を眼目とし、遠くは敵の状況を知り、近くは自軍....
婦人と職業」より 著者:倉田百三
るものではあるが、他面においては生活のための余儀なき催促によるものである。男子が独力で妻子を養うことができないための共稼ぎの必要によるものである。適当の収入さえ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
癖があったからである。それで思い切ったこともしかねない。現に人の好んでせぬことを独力で敢てした。 鴎外の為人の見どころはその辺にあるのではなかろうか。人はこれ....
戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
体なのである。 このことは、過去の日本が、外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実、個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
出来なかった。のみならず、いかに門前の俥夫だったとはいえ、殆んど無学文盲の丹造の独力では、記事の体裁も成りがたくて、広告もとれず、たちまち経営難に陥った。そこを....
審判」より 著者:カフカフランツ
度の腐敗はどうして避けられましょうか? それはできない相談であり、最高の裁判官も独力ではなしとげることはけっしてできないでしょう。それだからこそ、監視人は逮捕さ....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
りして来るかに思われる。艱難に対しての或る勇気が生れ出て来る。銘々が銘々の仕事を独力でやって行くのに或る促進を受ける。これは確かに北海道の住民の特異な気質となっ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
れ等の所持品を卵塔場へ持出してみんな焼いてしまった。そしてただ裸一箇の自分となり独力、座禅思惟の一法によってかの解脱を掴むか掴まえぬか、面と向った真剣の勝負に驀....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
。俊成はその方はすでに無能力者なので、彼は借りられるだけ古い日記類を借り写して、独力で有職の学問をした。『小右記』を読みつづけて、小野宮右大臣|実資を夢に見たと....