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独奏
「独奏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独奏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
かにも哲学者のマッグといっしょになり、一番前の席にすわっていました。するとセロの
独奏が終わった後《のち》、妙に目の細い河童が一匹、無造作《むぞうさ》に譜本を抱《....
「路上」より 著者:芥川竜之介
オリンの静かな音色《ねいろ》に耳を傾けているらしかった。……
それからピアノの
独奏と四部合唱とが終って、三十分の休憩時間になった時、俊助は大井に頓着《とんちゃ....
「M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
、かまってはいられないのです。またいつか、上野音楽学校で、遠藤ひさ子女史のピアノ
独奏会があった時です。何でもあの人が、重病の床から、免れて再び楽壇に復帰するとい....
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
ましょう。 忘れも致しませぬ、あの丸の内演芸館内の演奏場で、私は拙ないピアノの
独奏を致しておりました二日目の事で御座いました。明治音楽会の幹事をしておられます....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
見るであろう。露のしたたる姿は、人生の愚かさを笑っているように思われる。 花の
独奏はおもしろいものであるが、絵画、彫刻の協奏曲となれば、その取りあわせには人を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いるところは、いかにも峻厳な相貌であった。聞くところによれば、彼女の技量はかの大
独奏者、クルチスをも凌駕すると云われているが、それもあろうか演奏中の態度にも、傲....
「二十四年前」より 著者:寺田寅彦
いう種類の演奏会のどれかで私は始めてケーベルさんの顔を見、ケーベルさんのピアノの
独奏を聞いたように思う。曲がどういう曲であったかそれも覚えていない。ただ覚えてい....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
はなはだしい不倫の比較ではあるまいと思われるのである。ただ一種の楽器のあまり長い
独奏は聴者の倦怠《けんたい》をきたしやすい。もっともピアノなどにはしばしば相当長....
「手づくりながら」より 著者:宮本百合子
正月元日に巖本真理のヴァイオリン
独奏の放送をきいた。そして、その力づよくて純潔な音色からつよい印象をうけた。シゲ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は悲しい一連の印象を形造っていて、それらの印象はごく自然に相連続し、順次にピアノ
独奏と単独もしくは伴奏付の独唱とで演奏さるべきものとなっていた。「なぜなら、」と....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かなければならないときにはまだ、たがいに頼り合ってさほど恐れはしなかった。しかし
独奏しなければならないときには、非常な苦痛だった。いつものとおり、アントアネット....
「映画雑感(Ⅴ)」より 著者:寺田寅彦
の中の独唱でも、管弦楽の進行の波頭が指揮者のふりかざした両腕から落ちかかるように
独奏者のクローズアップに推移して同時にその歌を呼出すといったような呼吸の面白さは....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
るにはあまりにうっとりとしていた。蛙の声はやわらかに流れ、ひとり特殊な音調に鳴く
独奏の声もあった。…… 市平の心には、昔の思い出が髣髴として湧きあがった。自分....
「日記」より 著者:宮本百合子
他のだれだれに会う。皆同じ様な顔をし、同じ様な事を云って居た。教授のブァイオリン
独奏は非常によかった。あの真剣に打ちこんだ態度を見たら自分が、よみ書きをして居る....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
の頭をうっとりさせる必要のない久世《くぜ》氏が、お友達に誘われて偶然利江子さんの
独奏会《レシタル》へゆき、いっぺんで利江子さんを好きになってしまったのです。誘っ....