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独居
「独居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
事で、個人の死という事が真の生であると感ぜられるといっている。氏は幼時より淋しき
独居の際においてしばしばかかる事を経験したという。また文学者シモンズ J. A.....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
もなく散じて、僕らでいうと妻子と十日の間もあい離れているのはひじょうな苦痛である
独居のさびしみを、何の苦もないありさまに振舞うている。そういう君の心理が僕のここ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
循州河源に蒋武という男があった。骨格たくましく、豪胆剛勇の生まれで、山中の巌窟に
独居して、狩猟に日を送っていた。彼は蹶張を得意とし、熊や虎や豹が、その弦音に応じ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
びるほど、あの険阻で聞こえた山間の高山路が深い降雪のために埋められるのを恐れた。
独居のねぶり覚ますと松が枝にあまりて落つる雪の音かな さよしぐれ今は外山やこえつ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
貸し与え、二階にも砲兵工廠に通う夫婦者の職工を棲まわせ、己れ一人は三階の四畳半に
独居の不自由を自由とし、尺寸の屋上庭園には十数鉢の盆栽をならべて間がな隙がなその....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
ほど耻しい文段までも、筆とれば其人の耳に付て話しする様な心地して我しらず愚にも、
独居の恨を数うる夜半の鐘はつらからで、朧気ながら逢瀬うれしき通路を堰く鶏めを夢の....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
いってよく怒ったものである。風致を害するともいったものだ。しかしながら如何に静観
独居を楽しむ人たちが、雑巾やぼろ切れを以て潜航艇の穴を押えつけても、大海の圧力と....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たまう時、莞爾として微笑みたまえば、病にはあらじと見ゆ。かかることしばしばあり。
独居たまう時はいつもしかなりけむ。われには笑顔見せたまわざること絶えてなかりしが....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
味われる万葉の新歌境なのである。そして家持は娘子などと贈答している歌よりこういう
独居的歌の方が出来のよいのは、心の沈潜によるたまものに他ならぬのである。 この....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
き。かくて治子は都に近きその故郷に送り返され、青年は自ら望みて伯父なる人の別荘に
独居し、悲しき苦しき一年を過ぐしたり。 青年は治子の事を思い絶たんともがきぬ、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
、フランシスの洞窟のソリチュードなどが思われます。私などは衆群にはいる前にもっと
独居しなくてはならないのではありますまいか。衢に出ずるまでにもっと荒野に試みられ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
なのを悟り、すっかり失望と、恐怖との淵に沈んでしまったのである。 彼はそれより
独居して人を避け初めた。職務を取るのは前にもいやであったが、今はなお一|層いやで....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
り囲んで箸を上げ下げしている衆僧も、饑え渇ける異形のものとしか見えなかった。彼は
独居の部屋に閉じ籠り、頭を抱えて身悶えして呻吟くより外なかった。それでいながら経....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
風のない初冬《はつふゆ》の午後《ひるすぎ》庭の落葉を焚《た》く事とは、わたくしが
独居の生涯の最も娯《たの》しみとしている処である。曝書《ばくしょ》は久しく高閣に....
「悪僧」より 著者:田中貢太郎
を傍からはなさなかったが、朝鮮の風習として結婚した両班の子弟は、すぐ山寺へ往って
独居生活を始め、科挙に応ずることのできるように学問文章を修めることになっているの....