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独得
「独得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独得の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
いではなかったが、内部には恐ろしい熱情をもった男であった。この点は純粋の九州人に
独得な所である。一時にある事に自分の注意を集中した場合に、ほとんど寝食を忘れてし....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
人の実生活は、周囲とどんな間隔があろうと、いっこうそれを気にしない。そうして自己
独得の芸術的感興を表現することに全精力を傾倒するところの人だ。もし、現在の作家の....
「振動魔」より 著者:海野十三
白石博士の場合にかぎり、どんな重症の患者も喜んで入院を許したばかりではなく、博士
独得の病巣固化法によって、かなり高率の回復成績をあげていたのだった。それは世間に....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
気持の親疎によって、実際の位置と違った地理に置き換えていた。つまり感情的にかの女
独得の世界地図が出来ていた。その奇抜さ加減にときどき逸作も、かの女自身すら驚嘆す....
「火星探険」より 著者:海野十三
かない。何しろ気候も違うし、火星の成因や歴史も違うんだし、そのうえに何万年も火星
独得の進化と生長とをとげたんだから、地球人類と同じ形をしたものが、この火星の上に....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
わけがない。はじめは苦しいし困るかもしれないけれど、日本は日本で一本立ちのできる
独得の工業をつくりあげる必要がある。それは一日も早く、とりかからなくてはならない....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
、何百億円だか見当がつかない。が、それよりも驚異に値するのは、博士の自主的研究は
独得なる発展を遂げ、今世界中で一等科学の進んだアメリカや、次位のドイツなどに較べ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
人間に近づくため、ああしているのだと思うね。つまり、あの蟻の化物みたいな、火星人
独得のへんな体を、見られないためさ」
「じゃ、丸木も、マントを脱ぐと、火星人と同....
「東京要塞」より 著者:海野十三
」 「そうです。僕はトラックを下りて、廊下をひったてられてゆくときに、早くもその
独得の臭いに気がつきました。浴場で着物を着がえたりするときにも気がつきました。そ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ない! 悪剣だ! 「逆ノ車」だ! 剣豪秋山要介さえ、破りかねると嘆息した、陣十郎
独得の「逆ノ車」だ! その序の業だ! あぶないあぶない! 釣り出されて踏み込んで....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
のではマレー映画というのが実にはなはだしく退屈きわまるものではあるが、これくらい
独得なものは二つとない。なんとも珍無類なものであった。マライ映画は普通二十五、六....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
京で美術学校生活を送ったことのある一種のインテリであり、芸術家であるという男が、
独得の大阪弁で喋っているというところに面白さがあるが、しかし、この作品はまだ大阪....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
も柔和なのも、種々な傑作が今の世までも残されているのですが、それに由来して日本人
独得な緻密の性能から、根附のような彫刻も始まり、江戸時代には隆盛を極めたようです....
「「明治のおもかげ」序にかえて」より 著者:喜多村緑郎
内容を知るすべもない。しかしいずれの方面に筆をとられたものとしても、これこそ作者
独得の擅場、充分|蘊蓄を披瀝されることを望ましく思う。単に『明治のおもかげ』とい....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
又、○ジルシは、茂吉が、手紙や葉書の中に、文句の切れ目に使った印で、これは、茂吉
独得のものである。それから、「三首のみ」云々は、堀内が自分の短歌の選を茂吉にして....