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「独立独歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

独立独歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
たきに来た。あだかも燃ゆるがごとき熱望にみち、温かい情感にあふれ、あの昂然とした独立独歩の足どりで、早くこの戸を明け放てと告げに来る人のように。過ぐる明治四年の....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
られた道徳観念、その特色ある典型を私は見たのであるが、この倫理学なるものが如何に独立独歩の専門的学問であり、その根本問題(自由とか人格とか理想とか)が如何に倫理....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
問題をば、吾々インテリは資本家に〔与す〕べきか無産者に〔与す〕べきか、それとも又独立独歩すべきであるか、というような問題として提出したのである。恰もインテリとい....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
この重点に依存する。 つまり裁判所と司法権とを、軍の統帥権に於てのように完全に独立独歩のものにしようという改革運動で、時節柄司法権が干犯されないためには当を得....
或る夜の武田麟太郎」より 著者:豊島与志雄
へ、さっさと歩き去ってゆくのだ。 武田はたいてい後者だった。他人は眼中になく、独立独歩の調子だった。最近、周囲に対する顧慮を聊か示すことが多くなったようで、社....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
一歩を踏みだしてはどうかと進言したのが前記田所氏、二人は『お互い依頼心を起さず、独立独歩働こう、そして相手方のために、一円ずつ貯金して、五年後の昭和十五年三月二....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
です。自分の問題は自分の問題、人の問題は人の問題、これはハッキリ区別があって各々独立独歩のもの、事の真相に於てこの二つが交錯するというのはウソで、これは専ら心緒....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
ノブちゃんの心境を変えるようになんとか助けて下さいな」 「だめ。口説くことだけは独立独歩でなければだめよ」 「友情がねえな、奥さんは。すべてこの紳士淑女には義務....
選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
する人?……」 「または崇拝する先輩。政治的先輩」 「先輩はいません。ワタクシは独立独歩です。一貫して独立独歩」力をこめて云った。彼の傍に芥川龍之介の小説集があ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、三重に生きているヤヤコシイ因果娘なのである。 この国の憲法でも、二十になれば独立独歩の人格として、認められることになっている。 そんな約束は別としても、何....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
あおごう」と思っているだけだ。若造のくせに生意気だというのは当らない。若年にして独立独歩の志操あってのことであり、この態度は排すべきものではない。一面「罪悪感に....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
。 私が三十二歳にもなって商売に志したのは、自分が生れつき勤め嫌いで、あくまで独立独歩、自由の境涯を求めたことに原因するのはいうまでもないが、それとともにもう....
今日になるまで」より 著者:上村松園
、帰って来ると「お母さん只今」と真先に挨拶をします。 門閥も背景もない私が真の独立独歩で芸術に精進することが出来ましたのは、全く母が葉茶の商売を盛り立てて収入....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しかし私はかえって元気を出した。商売には浮気は禁物! あくまでやりとげよう。私は独立独歩できるのを喜び、別れていった三人の出資者にも心から感謝を捧げた。そして事....
一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
が社会的に持っている特有な意義を形づくっている。云って見れば民主的な国民の完全に独立独歩の企業が比較的貧弱であり、それが官営乃至御用商人的な企業の比でないという....