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「独者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

独者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
人は三十年此の方、独身であり、そのうえ老人には一人の子供も無論孫も無い、全くの孤独者であったことである。自然、老人は我儘にもなり、ヒステリーにもならざるを得なか....
世間師」より 著者:小栗風葉
婦約束をしたわけでもねえし、ただ何だ、お前は食わせる人がいねえで困ってるし、俺は独者だし、の、それだけの事で、ほかにゃ綾も何にもありゃしねえんだから、お前も旅の....
皇帝の使者」より 著者:カフカフランツ
皇帝が――そう呼ばれているのだ――君という単独者、みすぼらしい臣下、皇帝という太陽から貧弱な姿で遠い遠いところへ逃がれていく....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の成牝若くは処女獣をさえ収め得ず、小なる小なるハーレム一つ創り得ずに止む永遠の孤独者、または昨の英雄、かつてのハーレム中の獰猛者、しかもまた老大奮わぬ今日の悶々....
女難」より 著者:国木田独歩
が楽だろうと思う、お前|独身者かね?」 「ヘイ、親もなければ妻子もない、気楽な孤独者でございます、ヘッヘヘヘヘヘ」 「イヤ気楽でもあるまい、日に焼け雨に打たれ、....
三十歳」より 著者:坂口安吾
いか。 名声も、日本も、すべてを捨てゝ、満洲へ去りたいなどゝ虚栄児にも時には孤独者の夢想ぐらいはあるだろう。 だが、すべては、私のワガママであったと思う。私....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
エンゼルと共に、そうなのである。 放二から、青木へ、エンゼルへ。彼女の遍歴は孤独者の足跡そのものだ。彼女のために、誰一人、本当に親切な友だちはいなかった。親切....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
されるのは、おそろしいほど孤独な一人の男の姿でなければならない。 さらにこの孤独者は、なかんずく一切のエクスタシスおよび狂気から切断されているゆえに、必然的に....
一人舞台」より 著者:ストリンドベリアウグスト
晩は。クリスマスの晩だのに、そんな風に一人で坐っているところを見ると、まるで男の独者のようね。 (乙、目を雑誌より放し、頷き、また読み続く。) ほんとにお前さん....
惜別」より 著者:太宰治
る現象なのかも知れない。けれども、この日本三景の一の松島海岸で不思議に結ばれた孤独者同士の何の駈引も打算も無い謂わば頗る鷹揚な交友にも、時々へんな邪魔がはいった....
異邦人の意欲」より 著者:豊島与志雄
が、それらのものを超えて、吾々の心を打つ何かがそこにある。また例えば、魯迅の「孤独者」に於てもそうである。その新味の少い坦々たる叙述を超えて、吾々の心を打つ何か....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
かくて、私の死後には、子がなく夫がなく父がない三人の女が残る。各種の三人の孤独者だ。法律から作られた三人の寡婦《かふ》だ。 私は自分が正当に罰せられてるこ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
子供たちのうちにさえ常に存在しないであろうか?……――クリストフは、その小さな孤独者を技師の娘たちと近づきになしてやろうとした。しかしエルスベルゼのほうからもヴ....
自由人」より 著者:豊島与志雄
天元社への先生の推薦文を有難く頂いた。 思い出の調子が皮肉になるのは、浅薄な孤独者の通弊だ。俺は今このような皮肉を憎む。 高千穂では、俺はつつましい孤独者だ....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
や上着もボタンの取れたのを着ているのを見て、女はいよいよわたくしをアパート住いの独者《ひとりもの》と推定したのである。独身ならば毎夜のように遊びに行っても一向不....