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狭量
「狭量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狭量の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
やだ。僕は、本気に勉強したかったんだ。」 「勉強したら、いいじゃないか。」根が、
狭量の私は、先刻この少年から受けた侮辱を未だ忘れかねて、やはり意地悪い言いかたを....
「散華」より 著者:太宰治
私は、年少の友人に対しても、手加減せずに何かと不満を言ったものだ。野暮な田舎者の
狭量かも知れない。私は三田君の、そのような、うぶなお便りを愛する事が出来なかった....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
、生産機関の公有を主張した、社会主義が何が恐い? 世界のどこにでもある。しかるに
狭量神経質の政府は、ひどく気にさえ出して、ことに社会主義者が日露戦争に非戦論を唱....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
まだしもとして、新聞や雑誌によるジャーナリズムのセンセーショナリズムに追随して、
狭量にも、近代的に新奇なものの感傷的な強調にだけ終始しようとしたことである。この....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
怖はすべて偽りの結果にほかならぬのじゃが。また愛の到達についても、けっして自分の
狭量を恐れなさるな。そればかりか、その際に犯した自分の良からぬ行ないも、あまり恐....
「生あらば」より 著者:豊島与志雄
ないことを感じた。然し乍らそれは直ちに自分のパンに関係する問題なることを思った。
狭量なる教育社会と
狭量なる世間とが彼の前に据えられた。其処に於ては凡てがきちんと....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しどれも出さなかった。ただ一つ心酔しきった手紙を、自分の名を書かずに、ある無情な
狭量な醜い卑しい利己的な批評家に送った。彼が書いた三、四行の文のなかに感傷的な宝....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た。「実際家ら」はせめて準定法の一絞首台の必要を感じた。そしてこの点は、中流民の
狭量な方面を代表するカジミール・ペリエがその自由な方面を代表するルイ・フィリップ....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
度を失し、ユーモアを失していたかも知れぬが、見様によれば、健全でないこともない。
狭量ではあっても、不健全ではないようである。 私は私の精神を、医師や薬品にゆだ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
少女達に、小突きまわされて、かれは当惑した。その上、周囲の教師達の猜疑と嫉妬との
狭量な眼もいやだった。 結局一年と一学期辛抱した後、このほど思い切って、好きな....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
…しかるに左門は、紙帳の中で起き伏しするようになってから、だんだん一本気となり、
狭量となり、残忍殺伐となった。何故だろう? 狭い紙帳を天地とし、外界と絶ち、他を....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
。誰かが片暈の手法を創めれば、即刻にこれを模倣して新しい絵を気取ろうとするは甚だ
狭量なことであります。またこんな雷同的な作家を煽動している批評家もそうであります....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
こかに関係を持っていたにしても、私や妹に対する現実の愛と尊重とを信じている以上は
狭量な、穿鑿だてをして気を悪くしたりしないことを誓いますから、その点は御心配なく....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
は知らず、東京ではそれらのことを問題にするはずもなく、単に大阪方の贔屓や俳優らの
狭量を冷笑するに過ぎなかった。 ただ一つ、ここに問題となったのは、この大阪乗込....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
理屈のない詰らない事を非常に威張って怒って居る。そういう点など見ると実にその人の
狭量な事を憫まざるを得ない。そうしてモンゴリヤ人の多数はこんな者で、余程|大人ら....