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「狭隘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

狭隘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
い。」 将軍は陣地を見渡しながら、やや錆《さび》のある声を伝えた。 「こう云う狭隘《きょうあい》な所だから、敬礼も何もせなくとも好《よ》い。お前達は何聯隊の白....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
、ここが毛利にとって大切な場所であるように見せかけ、ここへ陶の大軍を誘き寄せて、狭隘の地に於て、無二の一戦を試みようとしたのである。 元就が厳島へ築城を初める....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
却で御座いますか」と問うた者がある。村田嘲笑って曰く、「ひとつ官軍の奴共を、この狭隘の地に引入れて、鏖にして見せるかな」と。容易に抜く事が出来なかったのも尤であ....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
如柏、李如梅、李寧等も孰れも自身剣を執って戦った。しかしこの戦場は水田が多く且つ狭隘である為に、騎兵の多い明軍は自由に馬足をのばす事が出来ず、又密集体形を展開す....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
四月|晦日、大野治房等は樫井の敗戦から還り、大阪で軍議をした。後藤基次先ず国分の狭隘を扼し大和路より来る東軍を要撃することを提議した。前隊は基次、薄田兼相、兵数....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
て人間が人為的に捏造したような、そう隠微不可解な問題ではない。宗教は地上の人間の狭隘なる智能の範囲内に於て、立派に掴み得る問題なのである。かの神学的|揣摩臆測や....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
。享楽主義です。自分の利慾しか考えない。自分の享楽しか考えない。みんな自己本位の狭隘なる世界に立籠っています。都は虚偽にみちみちています。真の道徳は地を払ってし....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
影響をわが思想界に及ぼしたのである。それで、日露戦争後は個人の自覚が顕著となり、狭隘《きょうあい》なる愛国心よりたちまち目醒めて、世界的の広大なる精神が俄然発達....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
のみで、いずれを見ても、みな似たり寄ったりのものであります。要するに、その区域が狭隘であるから同一の事実がたくさんありますが、その割合に実際これを研究する材料に....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
探幽のような巨匠がかつて一度も足を踏入れた事のない処女地であった。縦令この地域は狭隘であり磽※であっても厳として独立した一つの王国であった。椿岳は実にこの椿岳国....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
対面でも解る。若い人が常に眷いて集まったので推しても、一部に噂されるような偏屈な狭隘な人でなかったのは明白である。 だが、極めて神経質で、学徳をも人格をも累す....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
不足とあって農耕の法を輸入する。次第に里近くまで出て来る様になる。里人もだんだん狭隘を感じて、次第に山人の範囲に割り込んで来る。はては同じ一と村の中に双方雑居す....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
にも記されてある通り、三階造りの大伽藍ですがほとんど詰切れない位集まる。その時の狭隘しい事というたら堪らんです。人間の箱鮨詰というのはああいう時を指して言うので....
西航日録」より 著者:井上円了
国なるとともに大急激国なり。その性質急激にして諸事に敏速なる利あるも、また度量の狭隘に過ぐるの失あり。もし、日本人の気質七匁にシナ人の気質三匁を調合しきたらば、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
をかつぎて半日、市の内外を周覧す。案内者はみな英語に通ず。 カントン街路はその狭隘なること、一間ないし二間に過ぎず。轎と轎と相会するときは、徐行してようやく過....