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狷介
「狷介〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狷介の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
れも某伯、某男、某子等の知遇を受け、熱烈な皇室中心主義者、いっこくな官吏、孤高|
狷介《けんかい》、読書、追及、倦《う》まざる史家、癇癪持《かんしゃくもち》の父親....
「山月記」より 著者:中島敦
若くして名を虎榜《こぼう》に連ね、ついで江南尉《こうなんい》に補せられたが、性、
狷介《けんかい》、自《みずか》ら恃《たの》むところ頗《すこぶ》る厚く、賤吏《せん....
「斗南先生」より 著者:中島敦
った。そして、毎日机の上でひろげては繰返して眺めていた。読んで行く中《うち》に、
狷介《けんかい》にして善く罵《ののし》り、人をゆるすことを知らなかった伯父の姿が....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
て、あとはまた元どおりぼやけてしまった。 「イゴッソー」というのは郷里の方言で「
狷介《けんかい》」とか「強情」とかを意味し、またそういう性情をもつ人をさしていう....
「十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
まま聞き流したのを、今となっては心苦しく思うのである。 みだりに胸襟を開かず、
狷介狐高、体面を保ち、終始矜持をもち続けた生活を、十一谷君は守り通したのだった。....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
会堂で三度ほど演奏会をひらいたが、三度が三度ともたいへんな不人気であった。孤高|
狷介のこの四十歳の天才は、憤ってしまって、東京朝日新聞へ一文を寄せ、日本人の耳は....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
二、鉄仮面の舌 ウルリーケの顔は、血を薄めたような灯影の中で、妙に
狷介そうな、鋭いものに見えた。が、二人が座に着くと、それを待ち兼ねたように切りだ....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
の第一人者、誰一人歯の立つ者はなく、版元などは毎日のように機嫌伺いに人をよこし、
狷介孤嶂の彼の心を努めて迎えようとした程である。 「八犬伝」の最初の編が一度市場....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
性格の相違もその因をなしていた。忠右衛門は、穏和で寛宏であったが、左衛門は精悍で
狷介であった。 敵討ちの原因 ところが、去年の春のことであったが、忠右....
「竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
まこそ文壇のよたをもって名が通り、紅蓮洞《ぐれんどう》の名は名物とされているが、
狷介不羈《けんかいふき》、世を拗《す》ねたぐれさん以前にも、新派劇、女優劇と、何....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
人にとっては、いながらにして各種の商売を支配し、ひそかに驚くべき利を上げてゆく、
狷介《けんかい》なる江戸の富豪柘植宗庵であった。
一空さまは、この柘植宗庵の又....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
たやすく郷党に容れられ、広く同胞に理解されるには、兄の性行に
狷介味があまりに多かった。画一平板な習俗を懸命に追うてただすら他人の批評に気をか....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
も門下生もなく、末路|寂寞として僅に廓清会長として最後の幕を閉じたのは啻に清廉や
狷介が累いしたばかりでもなかったろう。 沼南は廃娼を最後の使命として闘った。が....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
)二葉亭は運悪く最初の首途に失敗なってしまったが、首尾よく合格して軍人となっても
狷介不覊の性質が累をなして到底長く軍閥に寄食していられなかったろう。 その頃二....
「申訳」より 著者:永井荷風
ハ背景ヲ描カンガタメニ俳優ノ鼻息ヲ窺ヒ文士ハ書賈ノ前ニ膝ヲ屈シテ恬然タリ。余ヤ性
狷介固陋世ニ処スルノ道ヲ知ラザルコト匹婦ヨリモ甚シ。今宵適カツフヱーノ女給仕人ノ....