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狸
「狸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
に看破《みやぶ》られたのを感じた。が、ちょっと頷《うなず》いたぎり、何も言わずに
狸寝入《たぬきねい》りをした。甲野は彼の枕もとに婦人雑誌の新年号をひろげ、何か読....
「貉」より 著者:芥川竜之介
ら山城《やましろ》の貉が化《ば》ける。近江《おうみ》の貉が化ける。ついには同属の
狸《たぬき》までも化け始めて、徳川時代になると、佐渡の団三郎と云う、貉とも
狸とも....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
どは、元より誰も捨てて顧る者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、狐
狸《こり》が棲《す》む。盗人《ぬすびと》が棲む。とうとうしまいには、引取り手のな....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
とはしながらも、烏帽子《えぼし》の紐を長くむすび下げた物ごしは満更《まんざら》狐
狸《こり》の変化《へんげ》とも思われない。殊に黄色い紙を張った扇を持っているのが....
「少年」より 著者:芥川竜之介
けぐら》の竹藪《たけやぶ》である。本所七不思議《ほんじょななふしぎ》の一つに当る
狸《たぬき》の莫迦囃子《ばかばやし》と云うものはこの藪の中から聞えるらしい。少く....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
分らなくなってしまいました。今までそれは考えてはいないことでした。ひょっとしたら
狸《たぬき》が帽子に化けて僕をいじめるのではないかしら。
狸が化けるなんて、大うそ....
「星座」より 著者:有島武郎
た。寒いように淋しかった。
「新井田の方はあと廻わしだ」そう彼はまた独りごちて、
狸《たぬき》小路のいきつけの蕎麦屋《そばや》にはいった。そして煮肴《にざかな》一....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
神という、兜巾鈴懸けを装った、目なざしの恐ろしい大天狗だった。 七 お
狸様 僕の家には祖父の代からお
狸様というものを祀っていた。それは赤い布団にのっ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
みに歴史的惰性と外交的駆引によって、自分の領土を保持しているところの老獪極まる古
狸でございます。二十世紀の前半期は英帝国の崩壊史だろうと私どもも言っておったので....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
徳利を通帳という不思議な通力で取寄せたからで。……これさえあれば、むかしも今も、
狸だって酒は呑める。 二人とも冷酒で呷った。 やがて、小形の長火鉢で、燗もつ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
その獣の爪のあと舌のあとのあります、毛だらけな膚が残るのですもの。焼きましても狐
狸の悪い臭がしましょうかと、心残りがしましたのに、貴下、よく、思い切ってそうおっ....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
らい音を立てたので、一時は観音様の鳩が一羽もいなくなりました。 それから最後に
狸の騒動があった話をしましょう。ただ今の六区辺は淋しい処で、田だの森だのがありま....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
杖さん、その先に鏑木雪庵、広瀬さんに椿岳なんかがいました。古い池の辺は藪で、狐や
狸が住んでいた位で、その藪を開いて例の「万国一覧」の覗眼鏡の興行があったのです。....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、やはりその位であった。 一八五三年には、ファラデーは妙な事に係り合って、狐狗
狸の研究をし、七月二日の雑誌アセニウムにその結果を公にした。 狐狗
狸では、数人....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
なかった。現に夜学に通う途中「お竹倉」の向うにばかばやしを聞き、てっきりあれは「
狸ばやし」に違いないと思ったことを覚えている。それはおそらく小学時代の僕一人の恐....