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狸囃子
「狸囃子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狸囃子の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春昼」より 著者:泉鏡花
うへ越した地の裏などで、聞きますのは、おかしく人間業でないようだ。夜中に聞いて、
狸囃子と言うのも至極でございます。 いや、それに、つきまして、お話の客人であり....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
と立つ。 例の音は地の底から、草の蒸さるるごとく、色に出で萌えて留まらぬ。 「
狸囃子と云うんだよ、昔から本所の名物さ。」 「あら、嘘ばっかり。」 ちょうどそ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
福村は気をつけていたけれども、その晩は狸の足音は聞えない代りに、遠からぬところで
狸囃子《たぬきばやし》の音が起るのを聞きました。 その翌日の晩もまた、お囃子の....
「黒い驢馬と白い山羊」より 著者:宮本百合子
て、やや色づきかけた石榴の実をすべった月かげが地にある。書生達の唄は響いて一種の
狸囃子であった。 そのうち月は益々冴え、庭のオレゴン杉の柔かな茂みの蔭に、白い....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
来たのか、蝦夷から来た『えぞたぬき』という変った狸がこの原へ住みつき、毎夜奇妙な
狸囃子をするというのでたいへんな評判。 山の手はもちろん、はるばる日本橋、浅草....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
ような何とも分らない大ぜり合いのような声々が、近まってきてはまた遠のいていった、
狸囃子のそれのように。 屋根叩く川面叩く大雨はいよいよ烈しくなりまさってきて、....