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狸汁
「狸汁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狸汁の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「セロ弾きのゴーシュ」より 著者:宮沢賢治
そこでその扉をもう少し広くひらいて置いてどんと足をふんで、 「こら、狸、おまえは
狸汁《たぬきじる》ということを知っているかっ。」とどなりました。すると狸の子はぼ....
「狐物語」より 著者:林芙美子
、腹をきれいに干して、いっぺん狐汁でもしてみんなで食おうじゃないか。」 「うん、
狸汁はうめえそうだが、おれは、狐汁というのは始めてだ……。」 狐はびっくりしま....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
ある。これは肉がやわらかの上に、脂肪が豊かで甚だおいしかった。このときの料理は、
狸汁のように葱と蒟蒻を味噌汁のなかへ刻み込み、共に穴熊の肉を入れて炊いたのだが、....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
省直轄で築造した渡良瀬川の堤防には、狸の穴があちこちにあって、村の人は、しばしば
狸汁に舌鼓をうっている。 就中、奥利根の山地には狸が多い。新治村の諸山脈と吾妻....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
吟味を問えば、なんとも答えず、ただ舌根を痙攣させるのみ。 まことに、久し振りで
狸汁の珍味に酔うたのである。 月の輪熊の方は、その翌日とろ火にかけて、小半日ば....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
さに祖母の膝へしがみついた。そして祖母の寝物語に、カチカチ山の爺さんが狸婆さんに
狸汁だと騙されて婆汁を食ったというお伽噺をきき、狸は凄い妖術を持っている獣である....