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狼火
「狼火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狼火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「石狩川」より 著者:本庄陸男
思われる、高いところに目印しが欲しい、一足先に沢に出られて、そちらで火を燃して、
狼火《のろし》がわりに煙をあげることにして下さらぬか」
日なたの傾斜面は直角に....
「刻々」より 著者:宮本百合子
け降っちゃデモれないからな」 彼等は、上野の山で解散したデモのくずれが、各所で
狼火《のろし》のような分散デモを行うことを、かくも戦々兢々と恐怖していたのである....
「政治と作家の現実」より 著者:宮本百合子
人々によって伝統が始められたことを知らなければならない。日本の人民のための文学の
狼火として存在したプロレタリア文学運動の歴史と、文学についてのその基本的認識が、....
「これから結婚する人の心持」より 著者:宮本百合子
なかで語られただろう。 この前の欧州大戦は一九一四年八月一日に始まった。今度の
狼火《のろし》は九月三日で、その間に二十五年の歳月があった。あの時分、二十五歳で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ突っ切って、この燧台の後ろへ廻ってみましょう」 「なるほど、この山は要害の山、
狼火《のろし》を上げて合図をするに都合のよかりそうな山だ」 「左様でございます、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
度となく繰り返される夜打、朝駆、矢合わせ、切り合い……どっと起る喊の声、空を焦す
狼火……そして最後に武運いよいよ尽きてのあの落城……四百|年後の今日思い出してみ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
れからもっといいのが現われるのです」
「で、その『時期』はいつ来るんだね?」
「
狼火《のろし》があがったら、しかし、ことによると、燃えきらないかもしれませんね、....
「見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
誰も、訪ねては来ないという事がわかったのでスミスといささか面喰らったアンガスとは
狼火のように昇降機へ飛乗って最上層へ到着した。 「ちょっとはいって下さい」とスミ....
「決闘」より 著者:神西清
ンコと将棋を指しはじめた。ところが暗くなってから従卒が来て、沖に燈火があらわれ、
狼火が見えたと報告した。 フォン・コーレンはあわてだした。彼は小さな嚢を肩にか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
と、芳太郎はどうも罪にはならんようですな、……言うまでもなく、行灯凧は、『陣中|
狼火《のろし》の法』のひとつで、凧糸の釣《つり》にむずかしい呼吸のあるもの、また....
「図書館法ついに通過せり」より 著者:中井正一
て、運動を貫いて立ち上るほかない。この法は、その運動を全面的に展開せよとの最初の
狼火の役割をもっているのである。 法案が通過したその最初の瞬間こそが最も大切な....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
きんど》、質屋、支配所、陣屋などを焼くのだ。……綺麗だなあ! 今井 天狗組最初の
狼火だ! 日本国を焼き浄めるための、あれは、第一の火の手だっ! 三人は谷に向い....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
きんど》、質屋、支配所、陣屋などを焼くのだ。……綺麗だなあ! 今井 天狗組最初の
狼火だ! 日本国を焼き浄めるための、あれは、第一の火の手だっ! (三人は谷に向....
「三国志」より 著者:吉川英治
淮南の自立皇帝袁術には、そもどういう対策があろうか。 「すわ!」 国境で哨兵は
狼火をあげた。 「一大事」とばかり伝騎は飛ぶ。 早打ち、また早打ち。――袁術の....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
た。 土着の煙火師ばかりが三十戸もあるこの戸狩村には、冬のころから、松代藩のお
狼火方の藩士が五人ほど出張して秋ぐちまでに作り上げる大仕事を督励していた。 今....