狼狽える[語句情報] »
狼狽える
「狼狽える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狼狽えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乱世」より 著者:菊池寛
かったからである。 「あはははは、みんなこれじゃこれじゃ。覚悟をしておれば、何も
狼狽えることはない」 十三人の中では、いちばん身分の高い築麻市左衛門が、左の手....
「旅愁」より 著者:横光利一
っていいよ。ヒューマニズムの心情だ。われわれの心だ。心をそのまま抛ったらかして、
狼狽えるわけにはいくまいじゃないか。」
「戦争が起れば、誰も彼も自分の意志ばかり....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
々の怨みを特に前髪に命じて俊雄の両の膝へ敲きつけお前は野々宮のと勝手馴れぬ俊雄の
狼狽えるを、知らぬ知らぬ知りませぬ憂い嬉しいもあなたと限るわたしの心を摩利支天様....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
に庖丁を構えたばかりで、鱗を、ふき、魚頭を、がりり、というだけを、吶る、あせる、
狼狽える、胴忘れをしてとぼん、としている。 海豚が陸へ上った恰好です。 仕切....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
蓙屋、合羽屋と、間違いッこはないんだがな、はてな、違ったかな。」 と少しばかり
狼狽える。…… 「違いはしません、――紅屋はあすこですよ。」 と私が笑った。 ....
「南北」より 著者:横光利一
ていったとしたならば? 勘次の母の吝嗇加減を知っていればそれだけ、秋三には彼女の
狼狽える様子が眼に見えた。それは彼にとって確に愉快な遊戯であった。 と、忽ち、....
「上海」より 著者:横光利一
を見つけ出した。 彼女はくるりと向き返えると、逆に狼狽えて歩き出した。が、何も
狼狽えることはない。彼女は彼の家を出てから十日の間に、早くも男の秘密を読み破る鑑....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
その他の事は決して話してはならぬと厳重に口留めしておいた、その記事を見たら犯人が
狼狽えるだろう」と云って、赤星は急に活気づいた。立松は焦り焦りしながら皮肉な笑い....