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猛り立つ
「猛り立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猛り立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
ろのことを前後なく喋り出した。 人に嫉《ねた》まれ、蔑まれて、心が魔王のように
猛り立つときでも、あの小魚を口に含んで、前歯でぽきりぽきりと、頭から骨ごとに少し....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
見究めたと思う気持は却《かえ》って落ち着いて来るのだ。故意にこの日を選んで自然が
猛り立つと云うなら、この日にし果さねばならぬ使命を持つものは、死の覚悟をしてでも....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
真青な顔をして、あの黒子《ほくろ》を震わせていた禰宜様宮田は、気を兼ねるように、
猛り立つお石の袂を引っぱった。が彼女はもう止められないほど気が立っている。 邪....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
お兄様と眼の色が違うんですもの……まるで確証を握ったシャロック・ホルムズか義憤に
猛り立つアルセエヌ・ルパンみたいよ。ホホホ。どうなすったの……一体」 「黙って見....
「源氏物語」より 著者:紫式部
きらめなければならないのだろう」 と宮がお言いになるのを聞いて、夫人はいよいよ
猛り立つばかりで、源氏夫婦への詛いの言葉を吐き散らした。この夫人だけは善良なとこ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
と、日ごろでさえ赤い恵比須顔に一段と朱をそそいで、まるで火の玉のようになって
猛り立つのを道灌山は静かに制し、
「林さん、それぁ、いけません」
年のころは五....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
と、早速に重信殺しの手助けをせよと切りだす。そうして聞き入れなければ一刀両断だと
猛り立つ。いのちには換えられず、いやいや正介承諾するが、さてこのあと南蔵院へ戻り....