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猛悪
「猛悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猛悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
大型な黄金《こがね》虫ややすでやむかで、あるいは、好んで不健康な湿地ばかりを好む
猛悪な爬虫以外のものは、いっさいおしなべてその区域では生存を拒まれているのだった....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
してくる千島寒流が、この岬の北方数浬の地点で北上する暖流の一支脈と正面衝突をし、
猛悪な底流れと化して汐巻岬の暗礁地帯に入り、ここで無数の海底隆起部にはばまれて激....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が冠る獅子噛台星前立脇細鍬という兜なんだ。また、こっちの方は、黒毛の鹿角立という
猛悪なものが、優雅な緋縅の上に載っている。ねえ支倉君、すべて不調和なものには、邪....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
そうだ。それはいいが、ここはハルビンでも料理のいいほうだというけれど、その食物の
猛悪なのには降参せざるを得ない。第一に、ボリシチとか号するスウプに類したものには....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
二歳にして既に政府運転の急行列車に突撃を試みたることあり。ようやく長ずるに及び、
猛悪果敢の牛質、衆牛にぬきんで――」なんかと、まあ、いったふうに、牛の生立ち・日....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ても、女肉を常食とする点で、リンピイもPIMPはぴんぷだった。 で、彼がどんな
猛悪な――あるいは罪のない――「ピンプ」だったかは、その女のしっぷ・ちゃんの手腕....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
そこなったらだめだぞ!」
こうしてまた石合戦が始まったが、今度は前よりいっそう
猛悪になってきた。やがて一つの石が溝の向こうにいる子供の胸に当たった。彼はきゃっ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
中に住み、密輸入者は山中もしくは海上に住む。都会は腐敗したる人を作るがゆえにまた
猛悪なる人を作る。山や海や森は野性の人を作る。それらは人の荒々しい方面を大ならし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
実に対しては目をふさぎます。暗黒が普通のこととなっています。が、盲目な獣こそ最も
猛悪な獣です。だれもまじめに地獄のことを考えていないのです。何という恥知らずの人....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てながめた。
六 巣窟《そうくつ》中の蛮人
都市にも森林と同じく、その最も
猛悪なる者が身を隠してる洞窟《どうくつ》がある。ただ都市にあっては、かく身を隠す....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
衝突したのであった。 幾度かの小戦闘が行われた。食人人種ダイヤル族は噂に勝って
猛悪であった。味方の土人は彼らを恐れて前進しようとはしなかった。彼らの姿を一目で....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
立っている逞しい労働者の群を見た。薄い冬の夕日が、弱い光をそのあから顔に投げて、
猛悪な形相に一種いいしれぬ恐怖と不安の色が浮んでいる。たとえば猛獣が雷鳴を怖れて....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
リュー!拳銃を離せ、どうやら脆くも参ったらしい……さあ縛り上げろ!』 さすがの
猛悪野獣の如きドーブレクも頽然と横わっている。グロニャールとルバリュとはたちまち....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て来てワイワイ吠え立てた。
平生肉と糞ばかり喰って居る犬ですからその顔付は甚だ
猛悪で毛は非常に長い。大きさは今の西洋の大きな犬よりまだ大きい。そういう奴が五、....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
の所属のものには及んでいなかった。そしてその七宿すらも、当時すでに非人の身として
猛悪を好み、謀反を構えるの状態となっていたのである。東大寺末たる清水寺が、延暦寺....