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「猛禽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猛禽の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ピンセットでいじり廻したりして深夜に至るも、夜を忘れた一心不乱の態度が、何か夜の猛禽獣が餌を予想外にたくさん見付け、喰べるのも忘れて、しばらく弄ぶ恰好に似ていた....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
日のように東京の空を飛び廻っていたのである。 鳶も鷲と同様に、いわゆる鷙鳥とか猛禽とか云うものにかぞえられ、前に云ったような悪いたずらをも働くのであるが、鷲の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もっと近く、庭上、少なくとも地上まで降りて来ないかということでありました。いかに猛禽《もうきん》が降り立って肉薄して来《きた》っても、戸締りはさいぜんがっしりと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
敷の結び目を少しはだけて見せると、まだ嘴《くちばし》の黄色くなりかけている一箇の猛禽雛が、幼いながらも猛然として、人を射るの眼を光らして、跳り立とうとしています....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
れていた。略奪者たる大貴族の跋扈《ばっこ》した幾世紀かが、一民族の中に、たとえば猛禽《もうきん》の倨傲《きょごう》貪欲《どんよく》な面影を刻み込むときには、その....
鳶と柿と鶏」より 著者:豊島与志雄
、鳶がかかったらすぐに馳け出していくつもりで、彼は見張りをしてるのだった。相手は猛禽だからさすがに不安なのであろうか。 「だが、鳶なんか捕って、一体なににするん....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
には獰猛な獅子、虎の如き猛獣がいるのに、弱い兎鼠の類も生存している。鷹鳶、などの猛禽類がいるのに、小さな鳩雀の類が生存している。そしてかえって弱い兎鼠鳩雀の類が....
汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
は―― 「投錨地の付近といわず、およそ湾岸全体、人影一つなかった……ふなべりを猛禽や渡鳥がかすめた。樫《かし》の森には野獣の列がゆききしていた。潮に乗ってしず....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
。リューマチのせいで少し跛を引きながら。その歩きつきや眼つきを見ていると、何だか猛禽のように思えてならなかった。 やがてヤアギチが電話をかけているのが聞こえた....