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「猛虎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猛虎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
腰の構えは、先ず免許皆伝も奥義《おうぎ》以上の腕前かな。みていろ、今にあの若者が猛虎のように牙を出すから」 言うか言わないかの時でした。しきりと詫びつづけてい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
こに伏沈んで、早瀬は窓をあけて、※子に腰をかけて、吻として腕をさすっていた。――猛虎肉酔初醒時。揩磨苛痒風助威。 廊下づたい 四十三 ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
は空席で、まるで歯の抜けたような物淋しさを見せていた。――動坂氏は満面を朱にして猛虎の如く吠える。…… 「……土地払下案について重大なる質問をしたのに、市長及び....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
もう一つ貰いたいものが残っているのだ。うぬッ――」 痣蟹はピストルを捨てると、猛虎のように身を躍らせてジュリアに迫った。その太い手首が、ジュリアの咽喉部をギュ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を取り巻いている岩壁に、仏像が刻まれているからである。 鉄鉢を両手で捧げた者、猛虎を足に踏まえた者、香炉に向かって坐っている者、合掌し結跏し趺坐している者、そ....
火薬船」より 著者:海野十三
れたが、竹見は、それにはこたえず、虎船長のもとへいそいだ。 虎船長は、それこそ猛虎が月にほえるような大きなこえを出して、ノルマンの無礼極まる命令を一蹴した。 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
い。――そいつは何だ、講釈師がよく饒舌る、天保水滸伝中、笹川方の鬼剣士、平手造酒猛虎が、小塚原で切取って、袖口に隠して、千住の小格子を素見した、内から握って引張....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ありそうだ。わしが勘定書を変えたのを、貴公が払ったのじゃ」 世界はフランボーが猛虎の如く躍りかかるのを待っているように見えた。しかし彼は咒文でもかけられたよう....
次郎物語」より 著者:下村湖人
謡曲でもやりだしそうな姿勢になった。みんなは急にしんとなって、片唾をのんだ。 「猛虎一声、山月高し――」 朗々たる詩吟の声が流れた。ところが、詩吟はそれっきり....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
するに、今はたまらず、身を跳らして、逆巻く波間に飛び込まんとする一刹那、一海賊は猛虎のごとく跳りかかりヤット一声船長を斬りさげたり、船長の躰は真二つに割れ、悲鳴....
地上」より 著者:島田清次郎
る二人はどうにか下へ逃れて来た。 「今、行きますよ!」 茂子は追いつめられた。猛虎が死物狂いで追いかけて来た敵に跳びかかるように、階段をのぼっていった。哀れな....
奇巌城」より 著者:菊池寛
立した。ボートルレは急に偉大な力が彼の全身に燃えたかのようであった。ルパンの眼は猛虎のそれのように鋭く閃めいていた。 「黙れ、馬鹿!」とルパンは吼えた。「俺を誰....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
る権利がありますから、こっちへきなさい」 四名はふたりをともなって洞に帰った。猛虎をひつじの家にみちびくようなものだった。 ロックはひたいにむこう傷があり、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
踊り出すと同時に、両隊一斉に調子を合せて叩き立てるかと思うと、ウーウーウーウーと猛虎の吼ゆるがごとく酷い声で一斉に呻り立てる。その声は天上にも響くかと思われる位....
葛根湯」より 著者:橘外男
H! 聞いただけでも堪え切れん! これは弱った!」 と途方に暮れたが、たちまち猛虎のごとくに眼を輝かせた。 「さあ、今の薬の包紙をもう一度俺に読んでみてくれ、....