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猛鳥
「猛鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猛鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
、床の上へべたりと腹を押しつけた。彼の寝衣の背中に刺繍されたアフガニスタンの金の
猛鳥は、彼を鋭い爪で押しつけていた。と、見る間に、ナポレオンの口の下で、大理石の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に取り難いものがあるのです。事情によって判断すれば、この戸外の松の大木あたりに、
猛鳥が来て狂っていることは事実だが、それはなにも我を襲いに来たわけではない、親と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
様の不幸な運命に怖れおののいたが、一つおかしいことは、さほど残酷な犠牲となって、
猛鳥のために貪《むさぼ》り食われつつある当のお嬢様が、少しも苦痛の表情をもせず、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
折りから栄三郎へかかろうとしていた岡崎兵衛の咽喉ぼとけに射《い》立ったのは……!
猛鳥のごとく、宙を裂いて来た一梃の小剣、あわや跳躍に移ろうとしていた岡崎兵衛の顎....
「砂漠の情熱」より 著者:豊島与志雄
て、砂漠の情熱と云ってはいけないであろうか。――彼の精神のなかには、空高く翔ける
猛鳥はおろか、一羽の小鳥さえいないし、馥郁たる濃艶な花はおろか、一茎の野草の花さ....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
州、相州または向う地の房総の山々から大きい鷲が江戸附近へ舞いあつまって来る。鷲は
猛鳥であるから、他の鳥類をつかむのは勿論、時には人間にも害をなすことがある。子供....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
隊最後の攻撃だ。 赤い鷲の顔が、生きもののようにかがやき、機関砲の火が、怒った
猛鳥の息《い》ぶきかと思われる。 四機におそわれた『富士』は、にわかに嵐のよう....
「フランケンシュタイン」より 著者:宍戸儀一
てものさびしい所なのだが、当時の私にはそう見えなかった。それは、自由のアイアリ(
猛鳥の巣)であり、自分の幻想の被造物と交わることのできた、誰も顧みない、楽しい地....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に、客の眼から退がって、襖の陰にかくれた。 「馴れれば鷹も愛らしいものだが、性は
猛鳥だ。……天弓よりはお光のほうが傍に置くにはよかろう。彼女の身についても、いち....
「懸巣」より 著者:室生犀星
ているから水を浴させる時の外は見られない。 どういう真似声をする時にも、彼女は
猛鳥特有の地声であるところのぎゃあ・ぎゃあという合の手を入れて啼く、真似声だけで....
「人真似鳥」より 著者:室生犀星
懸巣は
猛鳥で肉食鳥であるが、時々、爪を剪ってやるために籠から掴み出さなければならぬ。か....