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猜忌
「猜忌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猜忌の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
ででっちあげられた青年であるから、こんなに綺麗すぎたのであろう。ほんとうの青年は
猜忌《さいき》や打算もつよく、もっと息苦しいものなのに、と僕にとって不満でもあっ....
「運命論者」より 著者:国木田独歩
》つ怪しんだ。敵《かたき》を見る怒《いかり》の眼か、それにしては力薄し。人を疑う
猜忌《さいぎ》の眼か、それにしては光鈍し。たゞ何心なく他を眺《ながむ》る眼にして....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ッチの軸木になり、樹木の豊富を誇る北海道の山も今に裸になりはせぬかと、余は一種|
猜忌の眼を以て彼等を見送った。
夕方台所が賑やかなので、出て見る。真白に塗った....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
氏郷が家康を重く視ていず、又余り快く思っていなかったことは実際だったろう。秀吉も
猜忌《さいき》の念の無いことは無い。然し氏郷を除きたがる念があったとすれば、余程....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
ろから、自分の無罪を証明することは到底|叶うまじきようにかれも思いだした。そこで
猜忌の悪徳のためにほとんど傷心してしまった。 そこでかれはあらためて災難一条を....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
悲しい痛ましい命運の秘密が、その形骸のうちに潜んでいるように思われた。 不平と
猜忌と高慢とがその眼に怪しい光を与えて、我慢と失意とが、その口辺に漂う冷笑の底に....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
まい、彼がいよいよ取りかかる日には何人も傭うその中に汝が手下の者も交じろう、必ず
猜忌邪曲など起さぬようにそれらには汝からよく云い含めてやるがよいとの細かいお諭し....