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猟奇的
「猟奇的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猟奇的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
――彼は東京の靄が濃くなるごとに、この抽象的な観念に捉《とら》えられるのだった。
猟奇的な気持ちでありながら、また一種の恐怖観念なのであった。 彼はある朝早く、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ていると思われた。復一はこの頃から早熟の青年らしく人生問題について、あれやこれや
猟奇的の思索に頭の片端を入れかけた。結局、崖の上へは一歩も登らずに、真佐子がどう....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
曲的な色彩にはなっても、とうてい本質を左右するものじゃない。ねえ法水君、捜査官が
猟奇的な興味を起したばかりに、せっかく事件の解決を失った例が決して少なくはないの....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
常識的にひねくり回そうとするものだから、容疑者の夫は新聞記者によって性格異常者や
猟奇的犯罪性の所有者やにされて了っていた。探偵小説的興味を惹いていたのは、容疑者....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
るべし。読者のR・L・S・氏に望む所のものは、固《もと》よりその麗筆に係る南海の
猟奇的冒険詩に有之候』冗談ではない。私があの原稿を書く時、頭に浮べていた模範《モ....
「江戸川乱歩氏に対する私の感想」より 著者:夢野久作
ところ面白半分に、横綱とトリテキを組み合わせようとしているのじゃないか知らん……
猟奇的な悪趣味から、私を引っぱり出そうと試みているのじゃないか知らん……というよ....
「東京要塞」より 著者:海野十三
のものは、その男の儲ける金のことよりも、目隠しをしてどこかに連れてゆかれるという
猟奇的な話がすっかり気に入ってしまい、へへえ、それで手前はそこでどんな仕事をして....
「奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
ところで、夜汽車というものは、何かしら淡い情緒をそそり、好奇心を眼覚めさせ、
猟奇的な感覚に呼びかけるものであるが、それが、二等寝台車では殊に多い。上段と下段....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
裕福で、わがままであった。女も好き酒も好き、それに年齢からも来ているのであろう、
猟奇的の性格の持ち主であった。戸ヶ崎熊太郎の門下であって、剣道では上手の域に達し....
「映画雑感(Ⅶ)」より 著者:寺田寅彦
一種の探偵映画である。しかしこの映画のおもしろみはストーリーの
猟奇的な探偵趣味よりもむしろウィリアム・パウェルという男とマーナ・ロイという女と....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
合いの阿片窟へ行って見ましょう」とS記者が云う。 どんなに大衆作家としての僕の
猟奇的精神がこの言葉を耳にした時フクレ上がったか、友よ、想像してくれたまえ。 ....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
石狩川に架設の三百二十有余間の電線を伝わって逃亡した等々、仔細にその罪状が極めて
猟奇的な筆致で紹介されている。 高座から桟敷へ。針金張りめぐらして身も軽く渡っ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
ありがとう。」と云って、わたくしは少し歩調を早めると、 「絶好のチャンスですぜ。
猟奇的ですぜ。檀那。」と云って尾《つ》いて来る。 「いらない。吉原へ行くんだ。」....
「京都の朝市」より 著者:柳宗悦
と題して始めて筆をとった。 併しこの俗語は、語調に強いところがあるせいか、また
猟奇的な調子を感ずるのか、伝播はとても早く、年を追って広まり、今では用いぬ人がな....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
いとも何とも思わなかった、むしろ与えられたこの絶好の機会を利用して、充分に日頃の
猟奇的満足を得ようとさえ思うのであった。 その時、屍体が少し動いたように見えた....