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「猟虎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猟虎の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
照明もあかるく、通行人の数もいっそうふえて、みなりの美しい婦人の姿も眼につけば、猟虎《らっこ》の襟をつけた紳士連にも出喰わした。鍍金《めっき》釘を打った格子組の....
新生」より 著者:島崎藤村
立派な威厳のあった風采《ふうさい》を思出すことが出来る。岸本が少年の頃に流行した猟虎《らっこ》の帽子なぞを冠《かぶ》ったこの人の紳士らしい風采を思出すことが出来....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
しかし彼女はそのために旦那|一人を責められなかった。旦那の友だちは皆、当時流行の猟虎の帽子をかぶり、羽ぶりのよい官員や実業家と肩をならべて、権妻でも蓄えることを....
」より 著者:島崎藤村
。丁度それは二番目の兄の森彦が山林事件の総代として始めて上京して、当時|流行った猟虎の帽子を冠りながら奔走した頃のことで。その後、宗蔵の方は学校からある紙問屋へ....
」より 著者:島崎藤村
が有る。建物なぞは、古い小さなものサ。面白いと思うことは、僕の阿爺が昔|流行った猟虎の帽子を冠って、酒を飲みに来た頃から、その家は有るんだトサ。そこへ叔父を誘っ....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
りには木枯らしが吹いていた。黒光りのする店先の上がり框に腰を掛けた五十歳の父は、猟虎の毛皮の襟のついたマントを着ていたようである。その頭の上には魚尾形のガスの炎....
山峡新春」より 著者:宮本百合子
チョンチョンと下足札を鳴らすが、小屋は満員で、騒然としていて、顔役は、まがい猟虎《らっこ》の襟付外套で股火をし、南京豆の殼が処嫌わず散らかっているだけだ。山....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しく、おもしろそうに遊んでいる。 それをまたその人々の飼犬らしい、毛色のいい、猟虎のような茶色の洋犬の、口の長い、耳の大きなのが、浪際を放れて、巌の根に控えて....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
ると言って、この地方から東京に出て家を持ったのは、あれは旦那が二十代に当時流行の猟虎の毛皮の帽子を冠った頃だ。まだお新も生れないくらいの前のことだ。あの頃にもう....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
の掟を忘れようとする、異様の愛着が育てられていった。 やがて、氷の曠原を踏んで猟虎入江を過ぎ、コマンドル川の上流に達したとき、その河口に、ベーリングの終焉地が....