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猥談
「猥談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猥談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
秋の夜のつれづれに、あたかも彼自身が取調べの主任でもあるかのように装い、自分から
猥談《わいだん》めいた述懐を引き出そうという魂胆のようでした。自分は素早くそれを....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
今度彼がその変った意識で以前のその仲間に話しかけると、不思議なことには、その同じ
猥談組の仲間とは思われない答を持ってやってきた。それを見ても、今迄誰も彼等のうち....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
るのである。この風俗的魅力とは思想における最も抽象的な共通物のことであって、丁度
猥談が最も抽象的で共通な論議であるようなものだ。軍人や学者や政治家や実業家という....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
子供からまったく閉鎖されているのだ。そして子供には内密で大人ばかりで雑談に耽り、
猥談に遊んでいる。 私はキートン、チャップリン、ロイドあるいはコンクリンの喜劇....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、それには思わず竜之助も釣り込まれることもあるが、そうかと思うと、聞くに堪えない
猥談《わいだん》に落ちて行くこともある。それは王侯貴人の品行のことだの、市井の三....
「虎狩」より 著者:中島敦
んな話をしている中に、結局何時の間にか、少年らしい、今から考えれば実にあどけない
猥談《わいだん》に移って行った。やはり一年の年長である四年生が主にそういう話題の....
「男ぎらい」より 著者:豊島与志雄
り、ふいに高笑いをしたりします。密談のしめくくりをしてるのでしょうか。それとも、
猥談でもはじめてるのでしょうか。姐さんまで一緒になって笑っています。もうつくづく....
「祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
理屈だ。君たちも、山門の貞操観があったら、男を山門の中に立ち入らせてはいけない。
猥談めいたことだが、それを彼女の言葉に飜訳すれば、
猥談とはならない。 「ねえ、あ....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
がひらかれる。この元巡査がアルコール中毒で、頼りにならないこと夥しく、会議は専ら
猥談の方へ進行するばかり、とても埒があかないのである。然らば先生に頼めといふので....
「魔像」より 著者:林不忘
をして、一そう憎悪に燃えるように、立ったまま喬之助を見下ろしている。 いわゆる
猥談《わいだん》は詰所のつきものでもあるし、近江之介はこの豪《ごう》の者でもある....
「決闘」より 著者:神西清
の弱点に対して心から寛大だ。素直でおとなしい、傲慢でない、彼となら酒も飲めるし、
猥談も人の蔭口も遠慮なくできる。……一体宗教上でも道徳上でも神人同形説に傾きがち....
「金狼」より 著者:久生十蘭
いて、初心の主婦のように、いろいろと細かい心づかいをするのだった。西貝が、酔って
猥談をしても腹を立てなかった。乾がコップから酒をこぼして胸をぬらすと、そのたびに....
「瘤」より 著者:犬田卯
うなずいただけで、やおら紫煙を吐き、小使の汲んで出す渋茶にも眼もくれず、いきなり
猥談をはじめた。 「昨夜は弱ったぜ、『しん六』サ引張ってゆかれたはまアいいが、あ....
「澪標」より 著者:外村繁
る。私達が、盲が蛇に怖じない風の、露骨な――本当は至って無邪気なものであるが――
猥談に打ち興じていると、中谷は言う。 「童貞みたいな穢いもん、早う捨ててしまえよ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ては来るし。」 「寒ざむともして来るし。」 「何処を見たって波と空だしな。」 「
猥談でもやりますか。」 「あっはっ、そこはNさんのお手のものでがしょう。」 「ふ....