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「猩々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猩々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
もって家を為し、自腹で朝酒を呷る者が、今更いかなる必要があって、前世の鸚鵡たり、猩々たるを懸念する? もっとも学者だと云って、天気の好い日に浅草をぶらついて、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
わらず、その気候は台湾南部の冬期と同じく、緑葉紅花いたるところに満つ。なかんずく猩々木の各所に繁生して、霜後の楓葉よりも赤し。ここに住するものはみな夏服のみを用....
麻畑の一夜」より 著者:岡本綺堂
紛失する。骨も残らない、血のあともない。よく詮議してみると、結局それは大きい黒|猩々の仕業であったというのです。」と、高谷君は説明した。「今度の事件も余ほどよく....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ある時、甚だ忙がしそうに門を叩く者があるので、蒋は扉を隔ててうかがうと、一匹の猩々が白い象にまたがっていた。蒋は猩々がよく人の言葉を語ることを知っているので、....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
になって、我子の顔を凝と視た。 「そうです。恐く猿か何かでしょうな。」 「猿でも猩々でも、そんなものには構わずに置くが可い。先年駐在所の巡査が※を追って山の奥へ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
に、その奥にあるといわれる巨獣の墓場のことである。おそらく読者諸君も、ゴリラや黒猩々などの類人猿や、野象にかぎって死体をみせぬのをご承知であろう。してみると、ど....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
る。そのようにして、色の対照だけで判ずるとすれば、さしずめお筆を形容するものに、猩々が芝居絵の岩藤。それとも山姥とでも云うのなら、まずその辺が、せいぜい関の山で....
」より 著者:菊池寛
のうえ、彼の武者姿は戦場において、水ぎわ立ったはなやかさを示していた。火のような猩々緋の服折を着て、唐冠|纓金の兜をかぶった彼の姿は、敵味方の間に、輝くばかりの....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
あ、わお、おお、 飛び入る、飛び入る、飛び入る。 しかもその時、牡牛のごとく猩々熊のごとき巨大なブル、 たちまちにして天を仰いで咆哮すると見るや、※然とば....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
雨戸も窓も閉ざされていることも、何か心にかかりました。この日の最後の夕陽の光が、猩々緋のように華やかに、千木の立ててある建物の雨戸にあたって、火の燃えているよう....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
間隔を中に保って、ラシイヌはその後を追って行った。 鋭い獣の鳴き声は――それは猩々の鳴き声であるが――樹立の彼方、鉄柵の向こうの公園の外の人道から、またもその....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
う、その時左側に並んでいる、私娼宿の家々の屋根の上へ、夜ではあったが火事の光で、猩々緋のように輝いている、凄くて美しい明るい空を背景として人の姿が、七、八人陰影....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
れた憎悪と憎悪とがぶつかり合った争いであった。 火事の光はここまでも届き、空が猩々緋を呈していた。家々の屋根が輝いて見えた。 幾群かに別れて切り合った。槍、....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
使いの頭に落ち、Fなる魔法使いは、その名誉ある冠を以て、空想の少女を眩さんとし、猩々緋の舌を動かします。――しかも凶は正に敗け、最後の勝利は公子に帰して、月桂樹....
春泥」より 著者:久保田万太郎
三郎のまえは金平さんだったらしいんだ。」 「…………」 「飲むんだ、また、これが猩々のように。――とうとう夜明の三時まで。――あくる日眼をさますと燈火がついてい....