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「猩紅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猩紅の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
十年の戦争になりまして、良人――近衛の大佐でした――もまいります。そのあとに悴が猩紅熱で、まあ日夜つきッきりでした。四月十八日の夜でした、悴が少しいい方でやすん....
風知草」より 著者:宮本百合子
?」 十二年の間、重吉は彼を積極的に生かそうとする意志が一つもない環境の中で、猩紅熱《しょうこうねつ》から腸結核、チフスと患って、死と抵抗して来た。今度は、ど....
伸子」より 著者:宮本百合子
、仏蘭西《フランス》へ行くことにしてすっかり準備した時させられたのです。チフスや猩紅熱《しょうこうねつ》の。――だからうつりますまい」 彼は、重々しく云いなが....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
のように裂け、大噴火山のように赤くなった、その前に立った日本北アルプスの峰々は、猩紅色や、金粉を塗った円頂閣となり、色彩の豊麗な宝石を鏤ばめた、三角の屋根となっ....
ジイドとそのソヴェト旅行記」より 著者:宮本百合子
としていたセバストーポリの宿で、ジイドは、彼の親愛な若い友人ウージェヌ・ダビを、猩紅熱で失った。時間としては短い二ヵ月余のソヴェト初旅行は、それ故終始、敏感なジ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の音が、またひとしきり聞え出してきては、また納まる。その度毎に血の池の水の色が、猩紅《しょうこう》になったり、緋色《ひいろ》になったりするだけの変化はある。 ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、どうにかそれに克って来ていらっしゃるのは、考えればまことに大したことです。先ず猩紅熱からして、ね。もうこれがしまいで、段々恢復の条件がととのったら順調によくな....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
頭や心臓をたえず悩んだ。ちょっとした風邪《かぜ》も気管支炎に変ずる恐れがあった。猩紅熱《しょうこうねつ》にかかって死にかかったこともあった。たとい病気でなくても....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
眠に陥っているが、彼等の眠というものは全くの別物なんだ。あすこで眠っているものは猩紅の血、黄金の蛇だ。巨人の槌を振う山が眠っているばかりだ。そして牡蠣の※然たる....