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猪牙舟
「猪牙舟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猪牙舟の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
当日は兼ねての約束通り柳橋の舟宿《ふなやど》で落合ってから、まだ月の出ない中に、
猪牙舟《ちょきぶね》で大川へ漕ぎ出しました。
「あの頃の大川《おおかわ》の夕景色....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
向を窺ひ得べしとすれば、国芳の風景よりしては女芸者を載せたる永代橋|下《した》の
猪牙舟《ちょきぶね》、鉄砲洲石垣の鯊釣《はぜつり》、また隅田川|鰻《うなぎ》かき....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
きに水の流れを眺めている。閑雅《かんが》の趣|自《おのずか》ら画面に溢れ何となく
猪牙舟《ちょきぶね》の艪声《ろせい》と鴎《かもめ》の鳴く音《ね》さえ聞き得るよう....
「雪の日」より 著者:永井荷風
の一間に世をしのび、雪のふる日にも炭がなく、唯涙にくれている時、見知り顔の船頭が
猪牙舟《ちょきぶね》を漕《こ》いで通るのを、窓の障子の破れ目から見て、それを呼留....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
い」 と、手を引っ張って、人気のない所へしゃがみこんだ。隅田川の西河岸である。
猪牙舟がのぼる――
猪牙舟がくだる――。 吉原がよいの舟である。 川向うは三囲....
「濞かみ浪人」より 著者:吉川英治
分らぬではないか。弱ったぞ、これは』 『御心配なさいますな。鉄砲洲のお近くまで、
猪牙舟でお送りいたします』 『
猪牙舟とはなんだ』 『お舟でございます』 『舟か、....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
ぜ。どうです、おゆるしが出そうですか」 もう遅桜も褪せて、夏隣り。 釣舟も、
猪牙舟も、屋形舟も、これから川へぞめき出る季節である。 舟源の
猪牙舟は、お次も....