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猫
「猫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
リヤス類。毛糸の編みものも交《まじ》っていないことはない。行火の裾《すそ》には黒
猫が一匹時々前足を嘗《な》めている。
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行火の裾に....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ろさないのに、市女笠《いちめがさ》をぬいで、こう言った。小柄な、手足の動かし方に
猫《ねこ》のような敏捷《びんしょう》さがある、中肉《ちゅうにく》の、二十五六の女....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
本性《ほんしょう》を御見透《おみとお》しになって、とんと御寵愛《ごちょうあい》の
猫も同様、さんざん御弄《おなぶ》りになった上、二度と再び御膝元へもよせつけないよ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
しているであろう。色の黒い、近眼鏡《きんがんきょう》をかけた、幾分《いくぶん》か
猫背《ねこぜ》の紳士《しんし》である。由来《ゆらい》保吉の勤めている海軍の学校の....
「影」より 著者:芥川竜之介
壁際《かべぎわ》の籐椅子《とういす》に倚《よ》った房子《ふさこ》は、膝の三毛
猫《みけねこ》をさすりながら、その窓の外の夾竹桃へ、物憂《ものう》そうな視線を遊....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
が》めながら、ちょうど今何か白い獣《けもの》を抱《だ》き上げている所だった。
「
猫かい?」
「いえ、犬でございますよ。」
両袖を胸に合せたお蓮は、じっとその犬....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
をのばして、皮肉に葉巻の煙を天井へ吐いた。
「あてにならないと云うのは、あいつが
猫をかぶっていたと云う意味か。」
「そうさ。」
「いや、僕はそう思わない。少くと....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
どの高ぶった覚えはない。ただやはり顔馴染みの鎮守府《ちんじゅふ》司令長官や売店の
猫を見た時の通り、「いるな」と考えるばかりである。しかしとにかく顔馴染みに対する....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
またいつか報告する機会を待つことにしましょう。ただ半之丞の夢中になっていたお松の
猫殺しの話だけはつけ加えておかなければなりません。お松は何でも「三太《さんた》」....
「白」より 著者:芥川竜之介
《かるいざわ》に避暑中のアメリカ富豪エドワアド・バアクレエ氏の夫人はペルシア産の
猫を寵愛《ちょうあい》している。すると最近同氏の別荘へ七尺余りの大蛇《だいじゃ》....
「少年」より 著者:芥川竜之介
二本マストの汽船も浮かべている。翼の長い一群《いちぐん》の鴎《かもめ》はちょうど
猫のように啼きかわしながら、海面を斜めに飛んで行った。あの船や鴎はどこから来、ど....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
んぜん》と我我の愚を公にすることを恥じないのは幼い子供に対する時か、――或は、犬
猫に対する時だけである。
池大雅
「大雅《たいが》は余程|呑気《のんき....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
やもすると、この怖れを眼ざめさせた。――云わば、修理の心は、自分の尾を追いかける
猫のように、休みなく、不安から不安へと、廻転していたのである。
....
「運」より 著者:芥川竜之介
もわく》を知ってか知らないでか、膝《ひざ》で前へのり出しながら、見かけによらない
猫撫声《ねこなでごえ》で、初対面の挨拶《あいさつ》をするのでございます。
「こっ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
はある日母がその服を著て、「ロベエルや、よござんすか、体躯をまッすぐにしてないと
猫背になってしまって、一生なおりませんよ」と、私に云っていたその言葉を思い出した....