猫に小判[語句情報] »
猫に小判
「猫に小判〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猫に小判の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
し》や文芸上の大傑作であっても、其読者が低級で作の真髄に触れるだけの能力なくば、
猫に小判、寧ろ時間浪費の損あるのみ、真珠と瓦礫《いしころ》との区別がつかない米屋....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て箱の底から五枚の小判があらわれた。 「親分、ありましたよ」と、勘太は叫んだ。「
猫に小判ということは聞いているが、これは鬼に小判ですぜ」 「おれもそんな事だろう....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
げつけたのは咄嗟の武器の石つぶてです。 「わはは。さてはこの眉間傷もその方共には
猫に小判と見ゆるな。面白い。石と矢とは少しく趣きは異なるが、篠崎先生が秘伝の矢止....
「道標」より 著者:宮本百合子
じる対手がいるんだから張り合いもあるけれど、わたしんところは、結局何を書いたって
猫に小判なんだから」
と云った。
「いきおいとおり一遍になっちまって……どうも―....
「平塚・山川・山田三女史に答う」より 著者:与謝野晶子
も宜しいが、個人が多数に目覚めて、その制度を我物として活かすのでなくては、制度も
猫に小判ですから、私は先ず個人の自覚と努力とを特にそれの乏しい婦人の側に促してい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、いいかげんの物好きでなければならぬ。その物好きは、お絹という女です。 これは
猫に小判ではない、たしかに猫に鰹節ですが、この猫は牙を鳴らして、飛びかかりはしな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だけに許されたというよりも、お角さんにとっては、よし、もし許されたからといって、
猫に小判のようなものなのであります。特別に教養のあるものだけに許される特権でなけ....
「最近日本の科学論」より 著者:戸坂潤
般大衆は、科学的精神に遂に近づくことを許されないのであるか、科学的精神は彼等には
猫に小判なのであるか、と問わなければならなくなるだろう。科学的精神が一つの思想と....
「未亡人」より 著者:豊島与志雄
してみようか、どうしようかと、心の中でやきもきしていたではありませんか。 ――
猫に小判……。 そんな諺は、猫の無智を軽蔑することにはならず、却ってそれを羨む....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
掛け屋渡世の小堅人だが、どうしてどうして犬だけは大したもの、提灯に釣鐘じゃ、いや
猫に小判じゃ、などともっぱら評判の甚右衛門だったが、それが、何としたことか土間に....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
な物が尊いならば俺の山には幾らでもある」ということを知っておって、しかもこれまで
猫に小判と顧みようともしなかったその光る石を、数限りもなく掘り出して大福長者にな....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
雀も、猫も、鼠も、蝗も、そこにいることに気がついた。「豚に真珠を与うるなかれ」「
猫に小判」ということはよく知っている。大阪の市会議員の連中にいくら、都市衛生学を....