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猫の目
「猫の目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猫の目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「透明猫」より 著者:海野十三
どろいたが、もっとしらべをつづけた。 青二の目に見える二つの玉は、どうやらこの
猫の目玉であるらしく思われる。 それから新発見があった。見えない猫の二本の前足....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
御覧なさい。そうすると急にあの通り。ほんとうに気が変るっちゃありやしない。まるで
猫の目ね。」 「違えねえ、
猫の目の犬の子だ。どっこい忙がしい、」 と荷を上げそ....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
居るかを知ることが出来るから、不測の危害を与うるようなことはないものである、尤も
猫の目は能く暗夜に光るものであるから、起きて居る時には其必要も無いようであるけれ....
「子猫」より 著者:寺田寅彦
と子供の話を思い浮かべて、あまりきびしくそれをとがめる気にもなれなかった。 子
猫の目のあきかかるころになってから、時々棚の上からおろして畳の上をはい回らせた。....
「『吾輩は猫である』下篇自序」より 著者:夏目漱石
師ではなくなった。主人苦沙弥先生も今頃は休職か、免職になったかも知れぬ。世の中は
猫の目玉の様にぐるぐる廻転している。僅《わず》か数カ月のうちに往生するのも出来る....
「火星探険」より 著者:海野十三
レビジョン装置が、赤外線に対し非常に敏感にできるためである。つまり夜もよく見える
猫の目のようなテレビジョン装置である。老博士は、絶えずこの六つの映写幕の上に深い....
「○○獣」より 著者:海野十三
の消えている、銀座裏の、とある古いビルディングの屋上に近いところにあって、まるで
猫の目玉のようにキラキラ光っていた。 もし今ここに、羽根の生えた人間でもがあっ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
ン小料理で二百円なんだから、百九十円ならよそより安い。客に悪くて売れないなんて、
猫の目のやうに変る相場を知らず、生意気なことを言ふもんぢやない」 「だつて仕入が....
「瘤とり」より 著者:楠山正雄
くるのです。青い着物を着た赤鬼もいました。赤い着物を着た黒鬼もいました。それが山
猫の目のようにきらきら光る明かりを先に立てて、どやどや下りてくるのです。 おじ....
「朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
り姿顔形なりにしっくりふさわしいものがどれだというしっかりした考えがなくて、ただ
猫の目のように遷り変わる流行ばかりを追うからだと思います。自分に似合っても似合わ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
だかの組閣に方って沼南が入閣するという風説が立った時、毎日新聞社にかつて在籍して
猫の目のようにクルクル変る沼南の朝令暮改に散三ッ原苦しまされた或る男は曰く、「沼....
「飯待つ間」より 著者:正岡子規
てよごれ乱れたる毛を嘗《な》め始めたり。妹は如何思ひけん糸に小き球をつけてこれを
猫の目の前にあちこちと振りつづけしかば、猫は舌を収めて首傾け一心に球を見つめ居る....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れや元々、北条家は“平家”であるには、ちがいないが」 と、ぺろと上唇を舐めた。
猫の目より変りやすいごきげんなのだ。人々は、それを言い出した北条|茂時の方をつい....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
もなかったが、摂津の情勢は半日の間も猶予し得ぬものがあるし、また、御着のあの後も
猫の目のようなものだ。いつどう変るやらわからない。そう考えると、 「急ぐに如くな....
「どら猫観察記」より 著者:柳田国男
鳴いた。それから暫くすると何処とも知れず、予猫の小さな鳴き声が聴え、人を避ける母
猫の目が一段と険悪に見えた。二匹三匹の愛くるしい小猫が、そちこちに姿を見せる間が....