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「献上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

献上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
袖をつけた、派手な襦袢《じゅばん》を出している。黒八の襟がだらしなくはだけて、紺献上《こんけんじょう》の帯がほどけたなり、だらりと後へぶら下がっているのを見ても....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
い》だよ。膃肭獣の缶詰さ。――あなたは気のふさぐのが病だって云うから、これを一つ献上します。産前、産後、婦人病|一切《いっさい》によろしい。――これは僕の友だち....
古千屋」より 著者:芥川竜之介
御所《おおごしょ》徳川家康《とくがわいえやす》に戦いの勝利を報じた上、直之の首を献上《けんじょう》した。(家康は四月十七日以来、二条《にじょう》の城にとどまって....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
たちの命は赦《ゆる》してやる。その代りに鬼が島の宝物《たからもの》は一つも残らず献上《けんじょう》するのだぞ。」 「はい、献上致します。」 「なおそのほかに貴様....
婦系図」より 著者:泉鏡花
造作に、黒地に茶の千筋、平お召の一枚小袖。黒斜子に丁子巴の三つ紋の羽織、紺の無地献上博多の帯腰すっきりと、片手を懐に、裄短な袖を投げた風采は、丈高く痩せぎすな肌....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
が千里飛べる長靴、第二が鉄さえ切れる剣、第三が姿の隠れるマントル、――それを皆|献上すると云うものだから、欲の深いこの国の王様は、王女をやるとおっしゃったのだそ....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
それよりも帝都東京の完全なる爆撃をやっちまえばいい。グアム島も同じ意味で、日本に献上しても、大して惜しくない捨て石だ」 「あんたのいうことを聞いていると、日本な....
南地心中」より 著者:泉鏡花
ますさ。」 と片頬笑みでわざと云う。結城の藍微塵の一枚着、唐桟柄の袷羽織、茶|献上博多の帯をぐいと緊め、白柔皮の緒の雪駄穿で、髪をすっきりと刈った、気の利いた....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。そうして、このさいく物のことりをはこんできたものは、さっそく、帝室さよなきどり献上使、というしょうごうをたまわりました。 「いっしょになかしたら、さぞおもしろ....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
雨の中や雪おく甲斐の山 これは僕の近作である。次手を以て甲斐の国にいる蛇笏君に献上したい。僕は又この頃思い出したように時時句作を試みている。が、一度句作に遠ざ....
多神教」より 著者:泉鏡花
なります段を、氏子中申伝え、これが吉例にござりまして、従って、海つもの山つものの献上を、は、はッ、御覧の如く清らかに仕りまする儀でござりまして、偏にこれ、貴女様....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
毫は、いずれも御前で短時間で描きますので、即興的に、色も淡彩でほどこし、そのまま献上いたすわけでございます。 最初の御前揮毫の節に、当時の皇后宮太夫三室戸伯爵....
式部小路」より 著者:泉鏡花
一楽の袷羽織、おなじ一楽の鼠と紺を、微塵織の一ツ小袖、ゆき短にきりりと着て、茶の献上博多の帯、黄金ぶちの眼鏡を、ぽつりと太い眉の下、鼻|隆く、髭濃かに、頬へかけ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
出したそうだ。御一新の御東幸の時にも、三井の献金は三万両だったが八兵衛は五万両を献上した。またどういう仔細があったか知らぬが、維新の際に七十万両の古金銀を石の蓋....
私の仕事 松篁の仕事」より 著者:上村松園
非に謹製致したいと思いながら、遂に三年許りの歳月が過ぎて了いました。今年は是非共献上致さねばなりませぬので、只今下絵浄書中でございます。何分いろいろの画債が積っ....