献上物[語句情報] »
献上物
「献上物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
献上物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「佐橋甚五郎」より 著者:森鴎外
百余疋、人足三百余人を続《つ》ぎ立てた。 駿府の城ではお目見えをする前に、まず
献上物が広縁《ひろえん》に並《なら》べられた。人参《にんじん》六十|斤《きん》、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
丁目の長崎屋源右衛門方に宿を取ることに決まっていました。その時には将軍家に種々の
献上物をするのは勿論ですが、係りの諸役人にもそれぞれに土産物をくれます。かのズウ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
。 「さて殿様」と香具師は、気恥しそうに小鬢を掻いた。「ええご愛妾お半の方様へ、
献上物を致し度いので」 「ほほう」と宗春は呆れたように「これは不思議だ、どうした....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
子が一個漂着したと言っては不思議がった。ペリイ出帆の翌日、アメリカ側から幕府への
献上物の中には、壜詰、罐詰、その他の箱詰があり、浦賀奉行への贈り物があったが、こ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、比丘尼御所、院家、院室等の名称は廃され、諸家の執奏、御撫物、祈祷巻数ならびに諸
献上物もことごとく廃されて、自今僧尼となるものは地方官庁の免許を受けなければなら....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
し拝んで、大神へご献上になりました。 すると大神は手を打ってお喜びになり、その
献上物をすっかりお受けいれになりました。それから天皇がご還幸になるときには、大神....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちの方もそれに準じてと、固唾《かたず》を呑んでいると、案に相違して、かくの如く、
献上物を捧げっぱなしにしたままで、さっさともと来た道へ帰ってしまう。賭場の仁義に....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
侍従とか少将とかになった時には、朝廷から口宣を賜わるので大《おお》ッ平《ぴ》らに
献上物等もした。その他臨時に
献上物をすることもあった。こういう事は、古例を守り礼....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
は御製の金章長短の宸筆《しんぴつ》をも交えているので、禁裏でも等閑《なおざ》りの
献上物のごとく見過ごされず、叡覧のうえ誤謬でも発見せられたものか、女房奉書を賜わ....
「魔像」より 著者:林不忘
た。 やきもち坂を登る。脇坂様のお屋敷へ。 七 「ほホゥ、筆幸から
献上物《けんじょうもの》とナ」 登城をしない日は、退屈《たいくつ》な一日だ。 ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
なたの家のあがり口へ氷の箱をおいて行ったのは、だれなんです。たとえ相手は氷でも、
献上物へ手をかければ打首、獄門の大罪。……おまけに、時疫で大熱をだして苦しんでい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の毛は雪を思わせる。そして大きなこと、白熊のようなといってもよい。 「ははあ、御
献上物だな、この犬殿も」 酒板に頬杖ついて眺めつつ、彼の酔眼にはその犬が、だん....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
えたであろう。坊主、遊女、土地の名代などが、さっそくその陣営には、うるさいほど、
献上物をたずさえて、媚びを呈しに寄ってきた。 さらにはまた、この夜も甲斐、信濃....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
務をおびてのぼりました」 正成は吶々と言いながら、たずさえて来た大ぶりな竹籠の
献上物を、宮の坐っている広縁まで捧げてから、また階を下りて、庭面に低くぬかずいた....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
卿記』に、河原者が年始に来て緒太と箒とを呈したことがみえている。 小法師のこの
献上物も、河原者たるエタがこれを勤めるようになってからの例かもしれぬが、しかし本....