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「献身的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

献身的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
彼は、いつの間にか肺を侵されていたのである。 お八重の驚きと悲しみ、それに続く献身的な看護は、新一郎の心を決して明るくはしなかった。新一郎の病気は、だんだん悪....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
「許して下さい。お宅へ参って、朝夕、貴女に接したのが因果です。賢君に対して殆んど献身的に尽したのは、やがて、これ、貴女に生命を捧げていたのです。 未だ四十とい....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
。私ときたら学校も中途半端。給仕という職務にたずさわっており、しかも優しさだとか献身的な愛情をこれっぱかしも持っていない。――これすら馬鹿げ果てている。 私は....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
四日目である。流行性感冒にかかって仁科六郎はひどく高熱を出して苦しんだ。たか子は献身的に看護した。熱も降り坂。だが、まだ起き上ることは出来ない。うつらうつらゆめ....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
千八百六十一年、女史の三十歳のときに、南北戦争が起り、女史は篤志看護婦となって献身的なはたらきをしました。その後、三十七歳に「若草物語」つづいて、「グッド・ワ....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
若くみえるといわれるほどの美しい婦人で、種々の婦人事業や貧民救済事業にもほとんど献身的に働いていることは何人も知っている。その主人公の深見氏もまた実業界において....
寡婦」より 著者:秋田滋
がこの人たちを駆って、とんでもない熱狂的なことをさせたり、狂気の沙汰とも云うべき献身的なことをやらせたり、果ては犯罪をさえ犯させるのでした。この人たちにとっては....
」より 著者:犬田卯
なきを得ていたし、村内殆んど全部の地主たちは、かつて左翼華やかなりし頃、この瘤の献身的な強圧のお蔭を被って滞りなく小作米を取り立てていた。 自小作農にいたって....
正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
とを否定できない。 狡猾なる徒は、巧に良心をも詐わるであろう。そして、第一義の献身的、教化的精神に立つことを回避する。それには、困苦と闘争が予想されるからだ。....
貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
、殆んど、狂熱的に、自己を鞭打ったものは、自分の意志より他にない。そして柔順で、献身的であった、妻の愛に救われたというより他に、何ものかありません。『彼は、其の....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
て、もと実力のあったものまでがその渦中に巻き込まれてしまうの状態となった。言わば献身的に身をその部落に投じて教化に従事した穢多寺の住職や、浮浪民の世話をした悲田....
特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
がらにも彼らは、通例甚だしくエタを排斥するのが事実であった。 この際に当って、献身的に彼らの教導に従事したものは、肉食妻帯をすら忌まなかった一向宗、すなわち浄....
「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
特殊に親愛すべきものとなるべきである。 自分は特殊部落救済とか、改善とかの為に献身的に尽力せられる当局者や、多くの志士仁人に向かって、満腔の敬意を表する。しか....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
来なくなった、君のうるさい深情けは僕を気狂いにさせる。痒いところに手の届くような献身的なつとめぶりは全く有難迷惑で胸がむかむかする。君と一緒にいると僕は頭が変に....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
さねばなりません。差別される者も、当初はむろんこれを歓迎しました。その中からも、献身的に改善のために尽力する人が少からず出ました。かくていわゆる「部落改善」は、....